債券は上昇か、米長期金利が連日低下-日銀買い入れ予定は警戒
(ブルームバーグ): 30日の債券相場は上昇が予想されている。米国の長期金利が連日で低下した流れを引き継ぐ。日本銀行が今夕に発表する国債買い入れ予定や追加利上げへの警戒は相場の重しとなりそうだ。
SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは、日銀が国債買い入れ運営の現状維持を強調したことと米金利低下で反発して始まった後伸び悩むとみる。「日銀が物価見通しが実現するだけで利上げを行っていくと明言したことは大きな変化で、ハト派一辺倒ではなかった」とし、利上げの方向性は市場参加者が共有しており、10年金利が0.9%を付けても「投資行動が根本的に変わるわけではない」と話す。
同氏の新発10年物国債利回りの予想レンジは0.88~0.92%(26日は0.92%で終了)、先物中心限月6月物は143円90銭~144円40銭(同143円93銭)。
先物夜間取引で6月物は26日の日中取引終値比39銭高の144円32銭で終えた。
日銀買い入れ予定
日銀は30日午後5時に5月の国債買い入れオペ予定を公表する。25、26日に開いた金融政策決定会合では政策の現状維持を決め、公表文では「3月の金融政策決定会合で決定された方針に沿って実施する」と記した。買い入れ額のレンジを切り下げるかどうかが注目される。
東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、現在の買い入れレンジの下限のペースだと月間の購入額は5兆円程度であり、 国債市中発行の減額分の5000億円をめどに減らすならレンジ変更は必要ないと指摘。ただ、ドル・円が一時160円台を付けており、「レンジを下方修正、 減額も膨らむ」という可能性を「完全排除できない」との見方を示した。
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Hidenori Yamanaka