天王星に1個、海王星に2個の新しい衛星を発見! 天王星は20年ぶり
■新しい衛星は衛星の起源を説明できるかもしれない
今回発見された3個の新衛星は、いずれも惑星からかなり離れた位置にあり、軌道は楕円形で傾いており、似たような軌道を持つ別の衛星があるという特徴があります。また、3個中2個は逆行衛星です。このような衛星は、惑星の誕生と同時に形作られたのではなく、後の時代に彗星などの小さな天体が捕獲されたものであると考えられています。似たような軌道の衛星が複数あるのは、捕獲時に惑星に極端に近づきすぎたか、もしくは別の天体との衝突でバラバラに分離したためであると考えられます。 似たような軌道を持つ衛星があることは、これらの衛星の起源を探る上で役に立つでしょう。例えば、衛星を詳しく観測し、色や明るさなどのデータを比較して類似点を見いだせれば、元は1つの天体であったことがはっきりするでしょう。また、天王星や海王星の周辺で力学的なシミュレーションをする際に、どのくらいの大きさの破片がいくつ生じるのか、という答え合わせをするのにも役立つはずです。 今回の観測手法は、同じような性質を持つ衛星があれば、同時に発見されている可能性が高い方法です。このため、天王星は直径約8km以上、海王星は直径約14km以上の衛星は、全て発見された可能性があります。比較すると、木星の衛星は直径約2km以上、土星の衛星は直径約3km以上のものが全て発見されている可能性があります。 Source Minor Planet Electronic Circular. “MPEC 2024-D112 : S/2021 N 1”. (Minor Planet Center) Minor Planet Electronic Circular. “MPEC 2024-D113 : S/2023 U 1”. (Minor Planet Center) Minor Planet Electronic Circular. “MPEC 2024-D114 : S/2002 N 5”. (Minor Planet Center) Scott S. Sheppard. “New Uranus and Neptune moons”. (Carnegie Institution for Science)
彩恵りり