無敗の2歳女王アスコリピチェーノは父ダイワメジャーの“いいとこ取り”の逸材! 来春のクラシック『回避組』2騎との激突に期待【阪神ジュベナイルF】
12月10日、今年の2歳女王を決める阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ、阪神・芝1600m)が行なわれ、新潟2歳ステークス(GⅢ、新潟・芝1600m)を制した実績を持つ、単勝3番人気のアスコリピチェーノ(美浦・黒岩陽一厩舎)が、5番人気のステレンボッシュ(美浦・国枝栄厩舎)をクビ差抑え、1分32秒6のレースレコードで優勝。3戦3勝で女王の座に就いた。 【動画】ゴール前、驚異の二枚腰!アスコリピチェーノが無敗で2歳女王へ! 3着には2番人気のコラソンビート(美浦・加藤士津八厩舎)が入り、1番人気の支持を受けたサフィラ(栗東・池添学厩舎)は3着から3馬身離された4着に終わった。 レコードを叩き出したスピードよりも、アスコリピチェーノの競り合いでの勝負強さが目立つ一戦となった。道中、アスコリピチェーノは中団馬群のなかを進み、コラソンビートはそれを目前に見る好位置を進んだ。 1000mの通過ラップが58秒2という厳しい流れのなか、後続との差を詰めながら迎えた直線。逃げたシカゴスティング(栗東・庄野靖志厩舎)が内ラチ沿いで粘るが、中団から併せ馬のような形で伸びてきたのがアスコリピチェーノとコラソンビートだった。 この2頭が激しく叩き合い、コラソンビートが競り負けて位置を下げたが、さらにそこへ後方から馬群をさばいて急襲したのがステレンボッシュ。しかしアスコリピチェーノは並ばれそうになると、もうひと伸び。いわゆる「二枚腰」を使って相手を抜かせず、わずかにクビ差粘り切って勝利をモノにしたのだった。 アスコリピチェーノの父ダイワメジャーは、マイルから2000mの距離でGⅠ5勝を挙げた名馬で、種牡馬としてもカレンブラックヒル、コパノリチャード、メジャーエンブレム、アドマイヤマーズなど、スプリントからマイルのGⅠ馬を多数輩出している。産駒に自身の持つ豊かなスピードを伝える一方、激しい悍性(かんせい)を受け継いで、操縦性に難がある仔も少なくない。 しかしアスコリピチェーノは、久々のGⅠ勝利となった北村宏司騎手が「ごちゃつく場面はあったが、馬は冷静に走り続けてくれた」というように、2歳の若駒としてはパドックや返し馬でも、実に落ち着いた様子だったのが印象に残る。それでいて競り合いに強いところを見せ、レコードで駆けるという、父ダイワメジャーの”いいとこ取り”をした希有な例と言えるかもしれない。 距離には壁がありそうだが、この一戦で見せた勝負根性は、接戦になるほど活きてきそうな気配だ。今後も引き続き、追っていきたい若駒だ。
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