無敗の2歳女王アスコリピチェーノは父ダイワメジャーの“いいとこ取り”の逸材! 来春のクラシック『回避組』2騎との激突に期待【阪神ジュベナイルF】
プレビュー記事で「主軸」として推奨したステレンボッシュは僅差の2着に食い込んだ。馬群を割っての最後の伸びには目を見張るものがあった。 こちらの父親はエピファネイアで、手綱をとったクリストフ・ルメール騎手が「距離が延びたらもっと良くなると思う」とコメントしている。母の父がルーラーシップという血統から見ても、狙い目はマイルの桜花賞より2400mのオークスではないかとみている。 2番人気だったコラソンビートは、「最後の1ハロン(200m)は止まってしまった。そのぶん、距離が長かったのかもしれない」と横山武史騎手は、そう敗因を語った。前走の京王杯2歳ステークス(GⅡ、東京・芝1400m)をレースレコードで制したように、現状では1400mがベストの距離なのだろう。特段イレ込む様子もなかったので、これから来春までに陣営がどのような工夫を凝らすか注目したい。 1番人気のサフィラは、勝ち馬から約5馬身ほどの差(0秒7)を付けられての敗戦となった。GⅠ馬サリオスの全妹という良血も加味しての評価の高さが人気に結びついたものだろうが、レースぶりの拙さも含めて、現状ではやや力不足と受け取れた。ただ、松山弘平騎手が「まだまだこれから成長できると思う」というように、血統的な奥深さも込みで期待したいところだ。 さて、ここまで阪神ジュベナイルフィリーズのレースを回顧したが、プレビュー記事でも指摘したように、来春の牝馬クラシック戦線に向けては勝ち馬アスコリピチェーノをはじめとする今回の上位入賞馬は、さらなる大きな壁に立ち向かう必要がある。 その壁とは、サウジアラビアロイヤルカップ(GⅢ)で2着に入ったボンドガール(美浦・手塚貴久厩舎)と、アルテミスステークス(GⅢ)を制したチェルヴィニア(美浦・木村哲也厩舎)の存在である。 この2騎は、ともに今レースは馬体のトラブルで出走を回避したが、関東のエース級厩舎と称される手塚調教師、木村調教師がそれぞれ管理するだけに、来春にはきっちり態勢を整えてクラシックに臨んでくるはずだ。阪神ジュベナイルフィリーズの出走組、そして回避組が激突する来春の牝馬クラシックを楽しみに待ちたい。 取材・文●三好達彦
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