悪路でわかったランクルネス! 300はキング・オブ4WD、250はランクルのど真ん中、そして、70は別モノだ
過酷な悪路で発揮されるランクルネス
試乗コースの路面は土か泥か岩である。土というより泥に近い路面の急な登り坂や急な下り坂があり、そこがモーグル路(深い穴やこぶが交互に並んでいる)になっていたりする。岩石路は平坦なルートと登坂路が用意されていた。走り始めは4台ともL4(低速4WD)。70と条件を合わせるため、250、300、プラドはセンターデフをロックにした状態で走り始め、適宜、制御のモードを切り換えたり、リヤやリヤ&フロントのデフをロックしたりして走った。 プラドが今回の主役である250へと進化したわけだが、試乗では2009年にデビューしたクルマと、2024年にデビューしたクルマの15年分の時代進化を強く感じた。緊張を強いる場面の連続だったので、カメラで捉えた車両周囲の状況を表示するセンターディスプレイに視線を飛ばす機会が多かった。250は12.3インチのディスプレイに高精細でクリアな映像が映る(岩石路ではとくに、アンダーフロアビューが安心感につながった)。 プラドにもセンターディスプレイに周囲の状況を映す機能は付いている(オプション設定)。デビュー当時としては標準的な画面の大きさだし解像度も同様だが、いま見ると、ブラウン管でアナログ放送を見ているような物足りなさを感じてしまう。ひるがえって250のコックピットは、大画面の液晶TVを含めてモダンな調度品をそろえた、開業したばかりのホテルの客室のように快適だ。 それに、機能的でもある。250はオフロード走行時に路面の状況に合わせて駆動力や制動力を最適に制御するマルチテレインセレクト(MTS)を、機能を進化させて受け継いでいる。プラドはモード切り替えのロータリースイッチをセンターコンソールに設定しているが、250はセンターコンソールの右端に設置している(300も同様)。つまり、ステアリングから手を下ろした位置にあり、前方から目を離さずに操作しやすい。 人間工学的に理に適った設計なのだが、実際のところ、ロータリースイッチに手を伸ばす機会は少なそうだ。オートモードが設定されたからである(300も同様)。L4モード時はサンド、マッド、ロックに切り換えることは可能だが、各種センサーかの情報から走行中の路面状況を推定し、駆動力を最適化するオートで大抵の路面はクリアしてしまう。「オート」は、ものぐさにはもってこいの新モードだ。 250はロータリースイッチの下側にMTSのオンオフスイッチがあり、その下にDAC・CRAWLのスイッチがある。シフトレバーの手前側にはH4(高速4WD)とL4を切り換えるトグルスイッチがあり、その横にセンターデフとリヤデフをロックするスイッチ、フロントのスタビライザーをディスコネクトするスイッチが並んでいる。実に機能的だ。そしてどれも、ホームオーディオの操作パネルを彷彿とさせるほどに質感が高く、見栄えがいい。
【関連記事】
- 「不易流行」やっぱりランクル。ランドクルーザー250こそシリーズのど真ん中だ
- やっぱり圧倒的高評価!? | ランドクルーザー プラド&ランドクルーザー70 これがオーナーの本音レビュー! 「燃費は? 長所は? 短所は?」 | モーターファン会員アンケート(2024年5月版)
- 日産「サファリ」復活の序章!? 次期型「パトロール」が日本で発売すればランクルの最大のライバルになる?
- 新型ランクル250にモデリスタが登場!都会でもアウトドアでも存在感を放つ本格派カスタム!
- 車名もあらため原点回帰! ランドクルーザー250シリーズ、いざ発進! 丸目と角目、ふたつの顔の特別仕様「ファーストエディション」も同時発売