米ハイテク業界団体、AI向け半導体の輸出制限規制の差し止め要求
Karen Freifeld [7日 ロイター] - 米国のハイテク業界を代表する業界団体の情報技術産業評議会(ITI)は7日、バイデン米政権に宛てた書簡で、米国企業の人工知能(AI)向け半導体の輸出を制限する規制の発表を控えるように要求した。10日にも発表される可能性がある規制が実施された場合、AIで世界をけん引する米国の地位を危うくすると警告した。 ロイターは昨年12月、米商務省が米国企業のAI向け半導体の輸出を承認制とし、悪意のある企業によるアクセスを防ぐことを目指した規制を検討していると報じた。この規制は、米国企業のAI向け半導体が中国の軍事力強化に利用されることを防ぐ狙いがある。 米アマゾン・ドット・コムやマイクロソフト、メタなどが加盟するITIのジェイソン・オックスマン最高経営責任者(CEO)はレモンド米商務長官に宛てた7日付の書簡で、「重大で複雑な規制の策定を急ぐことは、著しい悪影響をもたらす恐れがある」と警鐘を鳴らした。内容は地政学的、経済的に著しい影響を与えることから、規制ではなく規制策定に向けた提案として発表するように求めた。 ITIは国家安全保障に資する取り組みには賛同しつつも、書簡に「AIでの米国の世界的なリーダーシップに対する潜在的なリスクは現実的であり、真剣に受け止めるべきだ」と記している。 商務省、ホワイトハウスはともにコメントへの要請にすぐには応じなかった。