プレミア12韓国4番の元ソフトバンク、イ・デホはメジャー移籍できるのか。
ワールドシリーズが終わって、徐々に動きが活発となってきた大リーグのオフシーズン。今年は、イ・デホ(李大浩)やオ・スンファン(呉昇桓)など、日本球界を経てメジャー挑戦をする選手も含め、「プレミア12」の準決勝(19日・東京ドーム)で日本と対戦する韓国から大リーグへの移籍を試みる選手が少なくない。 先陣を切ったのが、パク・ビョンホ(朴炳鎬)。すでにポスティングされ、ツインズが1285万ドル(約15億4000万円)で交渉権を獲得した。米メディアによれば、ホワイトソックス、カブス、ブルーワーズ、レッズ、パイレーツ、フィリーズ、アストロズ、ロイヤルズ、ブレーブス、レイズ、アスレチックス、マーリンズなど約13球団が入札したとのこと。なかなかの争奪戦が繰り広げられた。 本気だったのはその半分程度と見られるが、このパク・ビョンホ争奪戦に敗れたチームというのは、そのままソフトバンクからメジャー移籍を目指す、同タイプのイ・デホにターゲットを移すのではないかとも予想される。では、そのイ・デホの市場はどうなのか。 韓国では三冠王を2度獲得した初の選手となり、2012年にオリックスに移籍すると、1年目にパ・リーグの打点王を獲得したイ・デホ。日本時代4年間の通算打率は.293、出塁率は.370。本塁打は98本と非凡な数字を残し、実績で言えば、過去2年、韓国プロ野球で50本塁打以上を記録したパク・ビョンホに劣らない。いや、むしろ上。ところがパク・ピョンホは29歳だが、イ・デホは、来年6月で34歳。しかも、長打はあっても、走れない、守れない選手は、メジャーではだぶついている。イ・デホの場合はパク・ビョンホほどマーケットが活況というわけではないよう。 イ・デホ自身、メジャー挑戦を決めた理由として30代半ばにさしかかった年齢を挙げ、「この機会を逃したら難しい」と話していたが、獲得する側からすれば、評価が割れる年齢だ。 「MLB TRADE RUMORS」という、選手の移籍関連のニュースを専門に扱うサイトでも、「前代未聞の年齢ではない」としながらも、年齢が影響すると見る。 「契約総額には限界がある。彼を獲得したいと考えるチームは、限られる」 仮に29歳のパク・ビョンホが5年契約を結ぶとしたら、イ・デホはおそらく2年程度ではないか。4つの年齢差はそれぐらいの差を生む。昨年、33歳だった阪神の鳥谷敬がメジャー移籍を目指した時に3年契約を狙ったものの、一番彼を評価していたチームでさえ3年契約を拒んだ。それが破談の大きな要因であり、もしもイ・デホが3年契約にこだわれば、交渉はこじれる。 また、彼の場合、実際の起用面においても、「パク・ビョンホに比べれば限定されるため、契約には慎重にならざるを得ない」とあるア・リーグの国際スカウトは指摘する。 「過去2シーズンはあまり守っていないので、守備の評価が難しい。個人的には彼が守備についた試合をスカウトした記憶がない。やはり、指名打者というイメージだ。となると、(指名打者制がない)ナ・リーグのチームは手を出しにくい」