480億円減収と試算 年収「103万円の壁」の見直しで、和歌山県
和歌山県の岸本周平知事は25日の定例記者会見で、所得税が課税される年収「103万円の壁」を、国民民主党の主張通り178万円に引き上げた場合、県で240億円、県内市町村を含めると480億円の減収になるとの試算を明らかにした。「県も市町村も財政運営ができなくなる」と言い、財源案を示さない同党について「無責任だ」と批判した。 【男性職員育休63%に急上昇 早期に100%達成を、和歌山県の記事はこちら】 県の試算によると、住民税は県で100億円、市町村は150億円の減収。所得税減税に伴い、地方交付税は県で140億円、市町村で90億円の減収になるという。 岸本知事は「大きな規模の減収になるのであり得ない」とし、衆院議員時代に所属していた同党について「要求だけして、財源は与党に任せるとおっしゃっているが、こんな無責任なことはない。政党の体をなしていないと思う。古巣であるが、政策を提案するのであれば、財源も提案するのが責任政党の在るべき姿で、大変遺憾に思っている」と厳しく批判した。 ◇ 政府は、経済対策として国民民主党が主張する「103万円の壁」の引き上げに合意している。一方、全国知事会では地方税収の減少で自治体が財源不足に陥らないよう国に補填(ほてん)を求めている。
紀伊民報