メタ、第三者ファクトチェックを米国で廃止-「監視行き過ぎた」
(ブルームバーグ): フェイスブックやインスタグラムなどを傘下に持つ米メタ・プラットフォームズは、同社が米国で運営するソーシャルメディア上では第三者によるファクトチェックを終了すると明らかにした。今後はユーザーが投稿の正確性についてコメントできるコミュニティーノート方式に切り替え、表現の自由を促進するとしている。
メタでグローバル渉外部門のトップを務めるジョエル・カプラン氏は7日のブログ投稿で、同社プラットフォーム上でのコンテンツモデレーション(投稿監視)の仕組みは「行き過ぎ」であり、ユーザーの自由な表現をあまりにも頻繁に阻害しているとした。
ブッシュ(子)政権時代に次席補佐官を務めたカプラン氏は、「あまりにも多くの無害なコンテンツが検閲され、あまりにも多くの人が『フェイスブックの監獄』に誤って閉じ込められており、そういった場合のわれわれの対応は遅すぎることが多い」と述べた。
カプラン氏は「何をどのように事実確認するかという選択において」ファクトチェッカーのバイアスが見られたとし、「あまりに多くの正当な政治的議論が封じられていた」としている。
今回の動きにより、メタが2016年に導入した投稿管理システムはイーロン・マスク氏が率いるX(旧ツイッター)により近いものになる。
21年1月6日の米連邦議会議事堂襲撃事件を受けて一時的にフェイスブックの利用を禁止されたトランプ次期大統領は、同プラットフォームを「国民の敵」と呼び、保守派の声を検閲していると非難していた。トランプ氏のアカウントは23年に復活した。
トランプ氏は7日にフロリダ州にある私邸マールアラーゴで開いた記者会見で、メタによる第三者ファクトチェックの廃止を称賛。トランプ氏は昨年、メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)を投獄すると脅したこともあるが、同社がこうした脅しに対応しているのかと会見で問われると、「恐らくそうだろう」と答えた。