筒香がベンチ裏で逆立ち。WBC密着映画完成で後遺症組へ「見て奮い立って」
今春のWBCでの侍ジャパンの戦いに密着したドキュメンタリー映画「あの日、侍がいたグラウンド 2017 WORLD BASEBALL CLASSIC」の完成試写会が20日、都内で行われた。特別にアレンジされたエンディングテーマ「ユメノツヅキ(Slow&Emotional)」を再レコーディングしたCHEMISTRYの2人も姿を見せた。 宮崎での強化合宿を経てチームの危機が囁かれた壮行、強化試合から、全勝で勝ち抜いた東京ドームでの1次、2次ラウンド。そして米国ロスのドジャースタジアムに乗り込んで、雨中、米国に1-2で敗れた準決勝までの激闘を映画化したもので、ロッカー内からベンチ裏まで、専属カメラマン兼監督の三木慎太郎氏(50、ジェイスポーツ・エグゼクティブプロデューサー)が密着。試合映像だけでなく、これまで明らかにされなかった、知られざるドラマが赤裸々に描かれた。 映画は米国ラウンドの準決勝で最後のバッターになったソフトバンク・松田宣浩のシーンで始まり、宮崎合宿から戦いを時系列に追い、小久保監督のドジャースタジアムのロッカールームの涙のミーティングで終わるのだが、節目、節目の試合前の小久保監督の訓話や、故障のため大会直前にチームを離脱することになった楽天・嶋基宏の涙、日ハム・中田翔の苦悩、4番を打った横浜DeNA・筒香嘉智がベンチ裏で逆立ちをしているなどの謎めいたルーティンワーク、選手たち同士が、お互いの技術を学び合う姿に、ふざけた会話までが丹念に拾われていて、3か月前に日本列島を熱狂させた戦いの緊張感や興奮がリアルに蘇ってくる。1試合、1試合、戦うごとに強まっていく『絆』、『結束』が手にとるようにわかった。 公開前映画のネタばらしは、ご法度なので、ほんの一部だけを紹介させてもらうが、米国との準決勝のため決戦の地ロスに乗り込んだ前日練習で、ただ一人のメジャーリーガーとして参加したアストロズの青木宣親が、筒香や中田翔、広島・菊池涼介らに米国戦の攻略方法を懇々と説明していたシーンが面白かった。 「最後に(ストッパーの)ミラーが来たら打てない。だから先手を取るしかない。僕もメジャーに来て1年目のキャンプでボールを遅く感じたが、実際は、打席で差された。これがメジャー。1段階、2段階と(タイミングを取る構えを)早く準備をするしかない」 その米国戦では、1点しか取れずに敗れたが、ロッカーに戻っても立ち尽くしたままの松田をカメラがずっと映し続けたシーンも残像として残った。