激安EC「Temu」テレビやYouTubeで“いつのまにか広告が増えている”ナゾ。日本でも幅広い世代が利用する。
何かと比較され、Temuと訴訟合戦を繰り広げているSHEINは日本にチームがあり、ニュースリリースを発表したり、広報代理店を通じて取材を受けているのに対し、Temuはその手の窓口も日本にない。 だが最近、Temuの日本での勢いはすさまじいものがある。 冒頭の50代女性だけでなく、50代の男性会社員から「Temuで部屋着を数セット買ってみた」と聞いた。40代の在日中国人男性は「中国に住んでいたとき、安物しかない拼多多は絶対使わなかったが、中学生の息子がTemuで買い物をしたいと言い出して、しぶしぶアプリをダウンロードした」と苦笑した。
失礼ながら情報感度がそれほど高そうでない人たちがTemuを使っているので、どこで知ったのか尋ねると、「テレビCM」だと返ってきた。 ■YouTubeやテレビCMなど広告が増える そう言われて調べてみると、Temuは今年に入って日本で次々に広告を打っている。 YouTubeのタイアップ企画は2月ごろから急増し、「Temu 提供」で検索すると渡辺美奈代などのタレント、整理収納系、キャンプなどのユーチューバーによる動画が多くヒットする。
たくさん買い物をして届いた商品を紹介し、アプリで使えるクーポンコードをコメント欄で紹介するのがお決まりのパターンだ。YouTubeにはタイアップでない「Temuが危ない」系の動画も同じくらいあり、こちらも再生数を伸ばしている。 Temuの認知が一気に拡大したのは、今年春頃から投入され始めたテレビCMだろう。確認できただけで「芸能人格付けチェック」「THE SECOND~漫才トーナメント~」「オールスター感謝祭」「FNS27時間テレビ」の番組内で、ミニコーナー風の長尺のCMが流れていた。インフォマーシャルと言われる手法で、いずれもコロコロチキチキペッパーズなど知名度の高い芸人がTemuの特徴、特に安さを強調し、割引商品を購入できるコードを表示してアプリに誘導している。