激安EC「Temu」テレビやYouTubeで“いつのまにか広告が増えている”ナゾ。日本でも幅広い世代が利用する。
日本ユーザーの利便性を高める施策も進んでいる。今年3月、決済にPayPayを選べるようになったほか、7月にはTemuの買い物で共通ポイントPonta(ポンタ)のポイントを貯められるようになった。 YouTubeやSNSで「クレジットカード情報を抜かれる」という不安の声が上がっていたため、PayPayを導入することで、決済の安心感を高める目的もあったのかもしれない。 ■実際にTemuを利用してみたところ…
Temuのビジネスモデルの特徴は、出品する業者が注文を受けると、指定されたパートナーの倉庫に製品を発送するだけで仕分け・梱包され、世界中の消費者に配送される点だ。 Temuが通関、輸送、支払い、返品・返金手続きを行う「フルマネージド・モデル」によって、貿易の経験がない企業でも出品しやすくなり、多くの商品を集められている。 Temuは日本で8月下旬、出品企業が物流部分を管理し、日本の拠点から配送するセミマネージド・モデルも導入した。この場合Temuは物流以外の部分(支払いや返品、返金手続き)を手がける。
Temuは「(中国から配送するのに比べ)配送時間が短縮され、商品の種類を増やせる」と狙いを説明する。家具のような大型商品の出品も想定しているという。 筆者も今回、アプリに「国内配送」と表示されたアクションカメラを購入してみた。9月21日夜に注文し、26日朝到着した。期待したほどは早くなかったが、日本の拠点から配送できる出品者だったからか、Amazonや楽天市場でも同じ商品が販売されており、そちらのレビューも参考にできた。
ほかのECサイトでは8000円弱~1万1000円台で販売されていたのに対し、Temuでは7000円台。そこまで価格優位性がないように見えるが、複数のクーポンを組み合わせると送料込みで約2000円になった。最初の買い物だったので特に割引率が大きかったようだが、引くほど安い。 広告を大量投入した効果はデータにも現れている。デジタル行動分析を手掛けるニールセンによると、今年5月の日本のECプラットフォーム利用者数(閲覧のみを含む)で、Temuは4位にランクインした。Amazon、楽天市場の半分ほどだが、Yahoo Japanショッピングに迫っている。