【追悼】マルチェロ・ガンディーニの遺した名車を振り返る 50選 後編 伝説の自動車デザイナー、逝く
ジャガー・アスコット(1977年)
1970年代のガンディーニ氏は、明らかに直線を愛していた。曲線というものはまるで見当たらない。例えば、アスコット。ベースとなっているのがジャガーXJ-Sだとは思いもよらないだろう。5.3L V12が搭載され、ハッチバックの実用性と、スエードで覆われたインテリアが備わるコンセプトカーだ。
ランチア・シビロ(1978年)
2018年のジュネーブ国際モーターショーにシビロが出展されたことを覚えている人もいるのではないだろうか。ちょうど40年前に初公開されたときは、大きな驚きをもって迎えられた。 ランチア・ストラトスをベースにウェッジシェイプを突き詰め、同車の2.4L V6を流用。ポップアップ式のヘッドライトとデジタル・ダッシュボードが装備されている。
ボルボ・ツンドラ(1979年)
1976年に発表された300シリーズは、ボルボらしい保守的な乗用車であり、スポーティな要素はまるでなかった。 ベルトーネは、343を手直ししたツンドラでボルボへの接近を試みた。エンジンは1.4Lで、4速MTを介して後輪を駆動する2ドア・クーペである。このモダンなデザインは当時のボルボの重役には響かなかったが、数年後にシトロエンBXとして市販車に昇華することになる。
ルノー5ターボ(1980年)
ルノー5は素晴らしいデザインだが、1980年頃には見慣れたものになりつつあった。そこで、ミドシップエンジンを搭載し、ボディをパンプアップした5ターボが製作された。ガンディーニ氏は、標準車とできるだけ部品を共有しないことを求められ、パワートレインや足回りとともに、ほとんどすべてのボディパネルを変更した。 5ターボは当初、標準車の販売を活性化させるためのショーカーであったが、1983年までに1690台が生産され、続くターボ2も1986年まで3176台が生産されている。
マツダ・ルーチェ(1981年)
第4世代のマツダ・ルーチェ(海外名:929)は、ガンディーニ氏が独立前の1980年に担当した、ベルトーネ時代最後の作品である。2種類の4ドア・セダン(通常版とスポーティ版)と2ドア・クーペを設計するという内容だった。 デザインは十分に素晴らしいものだが、メカニカルな部分も興味深い。従来のレシプロエンジンに加え、ロータリーエンジンも用意されていたのだ。