1万円台前半で撥水・防風機能を完備 マーモット「GJジャケット」の実力
余談だが、「オールウェザーパーカ」は、1980年代にアメリカ軍が使用し始めた「ECWCS(Extended Cold Weather Clothing System/拡張式寒冷地被服システム)」の「GEN1 ゴアテックスパーカ」とうりふたつ。ヴィンテージ市場でも絶大な人気を誇るこのパーカは、「オールウェザーパーカ」をヒントにして生まれたといわれている。 つまり、マーモットのシェルといえば、アウトドアの歴史に足跡を残す名品なのだ。
防風性・撥水性を備えた「GJジャケット」
では、今年の3月に発売され、たちまちヒット作となった「GJジャケット」は、一体どのようなモデルなのだろう? 「ブランドのルーツであるマーモット マウンテン ワークスが設立されたコロラド州グランド・ジャンクションの頭文字が冠されたジャケットです」
驚かされるのは、13,200円というプライス設定だ。 「ゴアテックスなどのハイスペックなハイテクファブリックを使用していないので、このような手の届きやすいプライスを実現できました。ただ、表地は防風性に優れたナイロン素材。さらに耐久撥水加工も施しているので、外出先や旅先での悪天候にも対応できます」
ディテールにもアウトドアブランドのノウハウがいかんなく発揮されている。立体的に造形されたフードは、頭部と顔の下半分をすっぽりと覆う。
「袖口は面ファスナーで絞ることで、風の侵入を防ぐことができる仕様になっています。ウエスト部分にもドローコードがあるので、クラシックなムードにシルエット調節が可能です」
アウトドアウエアには収納力も求められる。左右の胸には片手でスムーズに持ち物を出し入れできる斜めのジップポケットが、左右の身頃にはスナップボタンで留める大型のフラップポケットが設けられている。
キャンプや軽ハイキングはもちろん、普段の生活でも、スマホやイヤフォンなどの収納に役立ちそうだ。
レトロアウトドアを感じさせるデザイン
次はデザインを見てみよう。もともとマーモットが日本でブレイクしたきっかけは、デザインによるところが大きい。1990年代、普段のスタイリングにもマッチするスタイリッシュなダウンジャケットがストリートの若者たちの心を捉え、一気に知名度を高めた。そんなマーモット流のデザインワークは「GJジャケット」にも存分に生かされている。 「ベースとなっているのは、どこかレトロアウトドアな趣を感じさせるマウンテンパーカです。カラーバリエーションは全4色で、こちらのモデルはベージュ×ネイビーのツートーン。コーディネートしやすく、今の気分にしっくりくると思います」 肩の可動域を高めるラグランスリーブによって着心地も快適。重さも470gほどで、シワにもなりにくいから、折り畳んで、バッグに入れて持ち運ぶのもいいだろう。 ゴアテックスなどが使用された本格アウトドアシェルではないものの、普段のタウンユースなら十分のスペックを持ち、春先や秋口のアウターとしても重宝する。何より、アウトドア界で高いプレステージを持つマーモットのシェルが税込13,200円で入手できるのはうれしいかぎり。 その完成度はまさに「GJ(グッドジョブ)」というべきだろう。