《あなたのために猫を拷問しますよ》「眼球まで全身隙間なく針を刺す」「硫酸をかけて溶かす」…拷問の果てに犬猫を殺害する中国「動物虐待ビジネス」の残酷な実態
虐待犯の中には社会的な地位のある人も
「中国には日本やほかの国のように犬猫など愛護動物への虐待を取り締まり、罰則を与える法律がありません。法で裁かれることがないため、虐待ビジネスは野放しにされていて、次々に過激な虐待動画が制作されて続けています。公安当局もこの問題を知りながらも見て見ぬふりを続けているんです」 10年以上前から仲間たちと中国国内の動物虐待を防ぐ活動を続けている楊さん。活動をする中で虐待ビジネスの存在を知り、組織とその実態を探ってきた。 「現在、主に取引が行われているのは、テレグラム内の作られた動物虐待愛好者たちが集まるコミュニティです」 「テレグラム」とは秘匿性が高いことが特徴のメッセージアプリ。日本でも「闇バイト」の連絡手段として使われることがあり、問題視されている。 「動画を販売しているのは一つのグループではありません。元々あった30個ほどの大きなグループが枝分かれしていって、現在は確認されているだけでも3000個ほどに増えています。ただし、個人も含めると数え切れないほど存在しているようです」 虐待犯たちは10代の少年少女や大学生だけでなく、会社員や銀行員など、社会的地位の高い者も多数いる。 楊さんはこれまでテレグラムの虐待動画販売グループに潜入した経験がある。そこでは筆舌に尽くしがたい、悪魔の所業ともいえる残虐でおぞましい内容の動画が販売されていた。
殺した子猫の遺体を母猫に食べさせる
嫌がり逃げようとする子猫を裁断機に挟み、腹部で切断。真っ二つになった子猫は、想像を絶するような痛みと苦しみから上半身と下半身を別々にバタつかせ、絶命するまでもがき続けていた。 また、猫の身体、眼球までの全身隙間なく、数百本もの針が刺されていた動画もあったという。 「生きたまま火をつける。硫酸などの薬品に漬けて溶かす。折に閉じ込めた母猫の前で子猫を一匹ずつミキサーに入れて殺害する。生きたままサンダーで時間をかけて頭を削る……。殺した子猫の遺体を母猫に無理矢理食べさせる、というものもありました。あまりにもむごたらしい動画ばかりでした……人間がここまで残酷なことができるだなんて、とてもじゃないけど信じられません」 犠牲になる犬や猫は「市場などで購入した」と、話す動画制作者もいるというが、実際には野良猫や野良犬を捕獲して動画に利用しているケースが大半だという。 「飼い主から猫を盗んだり、里親詐欺をしたりして、動物を集めている動画制作者もいます。小遣い欲しさから猫を盗み、虐殺し、その動画を配信して収益を得ている10代の少年少女のグループもいるようです」 世界中に衝撃を与えたのはC(仮名)という男が2023年3月14日に白と黒の牛柄の野良猫を捕まえ、猫が亡くなるまで容赦なく拷問し、その様子をLIVE配信した動画だ。 「撮影された動画はテレグラムとQQ(中国のメッセージアプリ)で共有され、世界中に衝撃を与えました」