柳宗悦も認めた「鳥越のすず竹細工」が120年に1度の危機 最後の担い手・柴田恵の伝統をつなぐ想いとは
『民藝 MINGEI-美は暮らしのなかにある』展
柴田さんの鳥越すず竹細工の手仕事について詳しく紹介されている『民藝 MINGEI-美は暮らしのなかにある』展は、東京・世田谷美術館で6月30日まで開催。その後、富山県美術館(7月13日~9月23日)、名古屋市美術館(10月5日~12月22日)、福岡市博物館(2025年2月8日~4月6日)へと巡回予定。 なお、鳥越のすず竹細工の販売は、町の施設である「鳥越もみじ交遊舎」で不定期に行っているほか、展示イベント、個人ショップでの取引となっている。
取材・文:佐々木彩子 写真:在本彌生 提供:リトルモア(©Keeko Hori, Little More 2024)
【Profile】
柴田 恵 1958年、岩手県二戸郡一戸町鳥越生まれ。親族の多くがすず竹細工に携わる中で育つ。85年、母・恵美子が病に倒れたのをきっかけに専業主婦からすず竹細工職人を志す。95年から2010年にかけて、鳥越もみじ交遊舎においてすず竹細工の指導を行う。この間も伝統を踏まえつつ独自のデザインの作品を制作。その後は私塾を開いて後進の指導にあたり、年に数回展示会で作品を発表。 佐々木 彩子 エディター、ライター。法政大学卒業後、商社にて貿易業務に従事した後、料理教室のアシスタントなどを経て、2008年に株式会社メディアジーンに入社。ウェルネスメディア「MYLOHAS(マイロハス)」編集部に所属し、11年に編集長に就任。15年にはエキサイト株式会社に転職し、女性向けの情報サービスサイト「ウーマンエキサイト」のデスクを務める。出産・育休を経て独立し、フリーランスに。一男二女(双子)の母。子育て、ウェルネス、サスティナブルな暮らしを中心に執筆中。