大量閉店の「4℃(ヨンドシー)」、「ジュエリーツツミ」と分かれた明暗。“手軽な値段”にこだわった実直さに軍配が
ツツミの業績好調は必然か
一方、消費者はジュエリーの支出を抑えている様子がわかります。総務省の家計調査によると、ジュエリーを含む身の回り用品の支出額は、2023年が1万8448円。2019年は2万592円でした。コロナ禍で支出額は1万7000円台まで下がり、その後回復しています。しかし、コロナ前の水準まで戻り切っていないのです。 食材や電気代など生活に必要なものへの負担が重くなり、節約志向が高まっているのでしょう。 ジュエリー価格は高騰するものの、消費額は縮小傾向……だからこそ手軽な価格での販売戦略がうまくハマったのでしょう。この3つの要素が噛み合っていると考えれば、ツツミが業績好調である現状には納得がいきます。インフレ下における成功モデルの一つと言えるかもしれません。 <TEXT/不破聡> 【不破聡】 フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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