バイト先に「欠勤時に自分の代理を見つけられない場合は罰金3000円」というルールがあります。会社は「就業規則と労働契約書に書いてある」と言っていますが、本当に問題ないのでしょうか…?
人手不足が常態化しており、会社によっては1人の欠勤だけでも業務に大きな影響を及ぼすことがあるようです。そのため、欠勤時に代理を見つけられない場合は、罰金を科すアルバイト先もあるといいます。「契約書に書いてあるから」と言われてしまったら思わず払ってしまいそうですが、受け入れなければならないのでしょうか? 本記事ではアルバイトに科せられる罰金の是非について、労働基準法の観点から考えていきます。 ▼有給休暇の取得に会社の許可は絶対に必要?「繁忙期」でも取得できるの?
労働者に罰金を科すことは法律上認められていない
結論からいうと、アルバイトに罰金を科すこと自体、認められていません。 労働基準法第16条では、「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と定めています。すなわち、罰金をルール化することが認められていないのです。 会社から「労働契約書に書いてあるし、君も納得してサインしたはずだよね」などと言われても、そもそも罰金に関する契約自体が禁止されているため効力はありません。 欠勤のほかに、「お皿を割ったら1枚につき罰金100円」「レジが合わなかったら、その場にいたバイト全員の責任で補填(ほてん)する」「クリスマスケーキの販売ノルマに届かなかったら1個につき罰金500円」といったルールなども無効です。支払いを求められても払う義務はないので、毅然(きぜん)と対応しましょう。
給与からの不当な天引きも問題
罰金として給与から勝手に天引きされるケースもあるかもしれません。この場合は、また別の問題が発生します。 労働基準法24条には「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定められています。全額を支払わなければならないというのがポイントで、天引きが認められているのは所得税や社会保険料など、法令で定められているものだけです。 そういった罰金ルールを聞いた場合は、念のため給与明細と振込金額を確認し、働いた分の給与がもらえているか毎月確認しましょう。