企業・団体献金の禁止は「憲法に抵触」 石破総理の主張と思惑
10日の衆議院予算委員会で、企業・団体献金の禁止について否定的な石破茂総理大臣が、今度は「禁止は憲法に抵触する」と話しました。 【画像】野党議員「規正法は違憲の法律とおっしゃったが、それでいいか」 石破総理「立法論の問題として認める余地ある」
■部分的な法律改正で決着させたい?
立憲民主党 長妻昭代表代行 「裏金の問題が起こって、それで企業・団体献金…企業・団体によるパーティー券の購入が大問題になっているわけじゃないですか。やっぱり企業・団体献金は、私は禁止すべきと思うんですが」 石破総理 「私たちが常に申し上げているのは、禁止よりも公開だと。きちんと分かるようにと」 裏金問題で信頼を失ったにもかかわらず、「企業・団体献金の禁止」にあくまでも否定的な石破総理。それどころか企業・団体献金を容認するため、憲法を持ち出しました。 石破総理 「企業団体の献金を禁ずるということは、私は少なくとも憲法21条に抵触すると思っています」 石破総理は、企業・団体献金を禁止すれば「表現の自由」を保障した憲法21条に抵触すると訴えます。 石破総理 「企業も表現の自由は有しているわけで、それは自然人(個人)か、法人かを問いません」 石破総理がよりどころにしたのは、50年以上前に下された1970年の最高裁の判決です。 製鉄会社が自民党に350万円を寄付した行為の違法性が争われた裁判。最高裁は、「憲法上は公共の福祉に反しない限り、会社といえども政治資金の寄付をする自由を有する」と判断し、会社側の正当性を認めました。 ここまでは、石破総理の主張通りです。 しかし、最高裁判決はまた、企業による巨額の寄付は、金権政治・政治腐敗の弊害を生む恐れがあるため、「立法政策にまつべきこと」と指摘。あくまで国会で解決すべき問題であり、法律で縛りをかける必要性を認めていました。 立憲民主党 米山隆一議員 「今の政治資金規正法は憲法違反であると、違憲の法律であると、今、石破さん、そうおっしゃったということでよろしいですか」 石破総理 「立法論の問題として認める余地があると思っております」 米山議員 「全面禁止が悪いだけで、相当程度の個人と同程度の制限をかけることは、それは問題ないというふうにお聞きしました」 憲法をたてにした石破総理ですが、その真意は企業団体献金の全面禁止は回避し、部分的な法律改正で決着させたい、ということなのかもしれません。 (「グッド!モーニング」2024年12月11放送分より)
テレビ朝日