中国のアナリスト、痛み伴うリストラ始まる-株式調査の有用性低下
(ブルームバーグ): 中国の証券アナリストが厳しい現実に直面している。経済や市場について調べ、意見を述べる数千人が働くこの業界は、何年も拡大してきたが、今は縮小の一途をたどっている。
上海に本社を置く国有の国泰君安証券では最近、数人のシニアアナリストが減給と業績評価基準の厳格化を受け入れず辞めた。
深圳のある証券会社は1-3月(第1四半期)中にアナリストの4割を解雇し、2023年分のボーナス(賞与)を50%余り削減した。コストカットのため、食事や出張の予算を減らしている証券会社もある。
長引く市況低迷で取引手数料が減少し、当局が調査アナリストの発表内容に厳しい制約を設ける中で、こうした人員削減が進んでいると関係者は言う。
証券会社が積極的に採用を進め、花形アナリストに1000万元(約2億1300万円)以上の報酬を提示していた数年前とは様変わりだ。
中国銀河証券の元チーフストラテジストで、現在は北京で資産運用会社、中閱資本(チャイナ・ビジョン・キャピタル)を経営する孫建波氏は、「取引手数料が引き下げられた今、リサーチサークルのバブルも崩壊するだろう」と述べる。
国泰君安はコメントの要請に応じなかった。この記事の内容は約20人の現役および元アナリストらへの取材に基づいている。
手数料の多寡
28歳のエイミーさんは今年2月、上海の中堅証券会社で新エネルギーセクターを担当するアナリストの仕事を失った。彼女が所属していたチームのアナリストは7人から2人に減らされたという。
エイミーさんは数週間後、もっと小さな別の証券会社で40%安い給料で同じような仕事に就いた。「他に方法はない。今重要なのは雇用の維持。まず仕事を確保し、次に何が来るかを見極めるのが私のやり方」と話す。
中国の証券会社は長い間、アナリストが示す予想の正確さよりも、ファンド運用会社や他の投資顧客から得られる取引手数料の多寡でリサーチアナリストを評価してきた。