菅田将暉「この映画が自分にとって“やらなければいけない”作品である理由」
── 役に入る時は、決まったやり方があるわけではなく、その時々に応じて入り方も変わるのでしょうか。 菅田 作品によりますけど、ガチガチに固める時もあります。ただ、家で準備できることとできないことがあって、セリフを入れることはできるけれど、相手のセリフは相手しか言えないから、それを受けてのリアクションは現場でやってみないとわからない。だから、計画的な部分と、“無計画の余韻”みたいなものを両方持って、現場で対応することが多いです。 ── 家でこれだけは必ずやっていく、ということは? 菅田 最低限、セリフを入れることです。「最低限」というのは、セリフも入れすぎない方がいい時もあるので。入れすぎない方がいいなと思う時は入れすぎずに行きますけど、 今回はそういうわけではないのでしっかり入れてました。 あとは、シーンも常に順撮りではないので、前後で何が起こったか、というのだけはちゃんと家で確認しておくぐらいです。 後編に続きます。
1993年生まれ、大阪府出身。2009年『仮面ライダーW』で俳優デビュー。『共喰い』で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞、『あゝ、荒野』で第41回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞など受賞多数。主な主演作は、映画『花束みたいな恋をした』『キャラクター』『キネマの神様』『CUBE 一度入ったら、最後』『百花』、ドラマ「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」「コントが始まる」「ミステリと言う勿れ」ほか。2017年からは音楽活動を開始。3rdアルバム「SPIN」が発売中。
『Cloud クラウド』
インターネットを経由する“実体のない”サービスを表す『Cloud クラウド』の名を冠した本作は、転売業で日銭を稼ぐ現代の若者を主人公にしたサスペンス・スリラー。「生活を変えたい」という想いから、世間から忌み嫌われる“転売ヤー”としてせっせと働く真面目な悪人・吉(菅田将暉)。彼が知らず知らずのうちにバラまいた憎悪の粒はネット社会の闇を吸って凝結成長し、どす黒い“集団狂気”へとエスカレートしてゆく──。監督・脚本は『岸辺の旅』(2015)で第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の監督賞、『スパイの妻』(20)で第77回ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞するなど国際的に高く評価される黒沢 清監督。出演はほかに古川琴音、奥平大兼、岡山天音、荒川良々、窪田正孝など。本作はヴェネチア国際映画祭正式出品で「第97回アカデミー賞」の「国際長編映画賞」日本代表作品にも決定。 9月27日(金)TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー 文/浜野雪江 写真/グレイ・ジェームズ スタイリング/KEITA IZUKA ヘアメイク/AZUMA(M-rep by MONDO artist-group) 編集/森本 泉(Web LEON)