事実婚申し込まれ、マンション共同購入話にうっかり 農協の2職員が窓口で声かけ、SNS詐欺被害防ぐ
兵庫県相生市内の農協で高齢者の特殊詐欺被害を防いだとして、相生署は同農協貯金課の坂本由起子さん(66)と松原友子さん(44)に署長感謝状を贈った。 【写真】送金やめるよう3人で3時間説得し詐欺被害防いだ郵便局員 同署によると10月25日午後、同農協を訪れた女性(65)が窓口で「定期預金を解約して1千万円を振り込みたい」と依頼した。女性がスマートフォンを見ながら必要書類を記入し、相手の名前もカタカナだったことから不審に思い、上司に相談して警察に連絡した。坂本さんと松原さんは署員が駆け付けるまで女性が立ち去らないよう説得した。 女性は写真共有アプリ「インスタグラム」で知り合った相手から事実婚を申し込まれ、マンションの共同購入を持ちかけられた。「元金を倍にする」と言われ、指示されるままに振り込もうとしていたという。 11月25日、森健市署長から感謝状を受け取った2人は「未然に詐欺被害を防ぐことができてよかった。お客さまに声をかける大切さが分かった」と話した。 同署によると、相生市と上郡町では1~10月末に4件計約1980万円の特殊詐欺被害が発生している。森署長は「SNSで交際を装って投資話を持ちかける手口も増えており、なるべく早く周囲に相談を」と呼びかける。(豊田 修)