海なし県で生まれた人気の宇都宮「鯛らーめん」が25周年 鮎断念後に掴んだヒントが転機
最初は栃木県内でもよく食べられる鮎を使ったラーメン作りに取り組んだがなかなかうまくいかず断念。取引があった鳥取県の水産会社社長から聞いた鯛の一夜干しがヒントとなり、鯛を使ってスープ作りが始まった。ただ実際にスープを作ってみると鯛だけでは味がまとまらない。試行錯誤の末に隠し味としてたどり着いたのが鶏肉のだしとの〝コラボ〟だった。鯛のうまみや香りを損なわないように鯛と鶏肉とのバランスをとるのに最も苦労したというが、間もなく「鯛らーめん」が完成。コンテストに間に合わせることができた。
コンテストには全国から約340人が出場しラーメン職人らが腕を競う中、落合さんの「鯛らーめん」は準優勝に輝いた。当時は本格的な魚だしスープのラーメンは全国的にも少なく特に鯛ラーメンでは〝元祖〟的な存在となった。
落合さんは「生涯、ラーメン職人として挑戦者でいたい」というのがモットーで、今も意欲満々。
今年6月、約25年ぶりに開催された「ラーメン登龍門」第2回大会には数年前に完成させた「鮎らーめん(みそ)」で挑戦。最終選考会の8人に残り、入賞を果たした。
「四半世紀にわたり、多くの人に鯛ラーメンを食べていただき、本当にありがたい」と落合さん。「出前もちから始まったラーメン屋人生。決して順風満帆ではなかったが、これからも唯一無二のラーメンを作っていきたい」と話し、新作のノドグロやアマダイのラーメン作りに奮闘中だ。(伊沢利幸)