お金を一切払わずに課税所得を引き下げられる!元東京国税局職員のライターが教える税金対策法
青色申告すると、毎年65万円分の利益を無税に
フリーランスとして活動を続けるなら、「青色申告」はぜひとも使いたい制度です。これを使うことによって税金のみならず国民健康保険料の負担も抑えられます。 青色申告とは、「一定水準の記帳をし、その記帳に基づいて正しい申告をする事業者」に認められている制度で、これにより複数の節税方法を使えるようになるというものです。 この制度を利用するには、所轄税務署に開業届を提出したうえで、「青色申告承認申請書」という書面も提出し、承認を受ける必要があります。この手続きをせずにいると、「白色申告」という通常の方式で確定申告をすることになり、青色申告の節税メリットを受けられません。
具体的な節税効果はどのくらい?
青色申告の節税メリットは複数ありますが、なかでも基本となるのが「青色申告特別控除」です。 これを利用すると、本来は売上から必要経費を引いた利益に対して課税されるところ、利益から最大65万円の青色申告特別控除を引いて、税金を計算できるようになります。 具体的な節税効果は、65万円に税率を掛けると計算できます。 所得税の税率は所得金額に比例して変動しますが、仮に所得税と住民税を合計して30 %の税率とすると、65万円×30%=19万5000円が1年あたりの青色申告特別控除による節税効果です。これに加えて国民健康保険料を減らす効果もあります。
青色申告特別控除には3パターンある
青色申告特別控除の良いところは、「お金を一切払わずに課税所得を引き下げられる」という点にあります。必要経費を使って節税しても節税効果より大きな出費をともないますが、青色申告特別控除にはそうしたデメリットがありません。 なお、青色申告特別控除には、10万円、55万円、65万円の3パターンが存在します。最高額の65万円の特別控除を受けるには、複数の条件をすべて満たさなくてはいけません。 これらの条件をクリアするのは難しいことではなく、会計ソフトを使って記帳や電子申告を行えば、問題なく65万円の控除を受けられます。 【年間65万円の青色申告特別控除を受けるための条件】 1.青色申告承認申請書を期限内に提出していること 2.事業所得または不動産所得があること 3.複式簿記で記帳していること 4.損益計算書と貸借対照表を作成し、申告時に添付すること 5.確定申告を期限内に行うこと 6.e‒Taxでの電子申告または電子帳簿保存を行うこと