<ソチ五輪>フィギュア団体はなぜ敗れたのか?
ソチ五輪の新種目であるフィギュアスケート団体決勝が9日に行われ、日本は決勝に進出した5カ国中最下位の5位に終わり、期待されたメダル獲得はかなわなかった。男女シングルでトップを狙える分厚い陣容を誇っていただけに、いかにも、もったいないように見える結果だが、実際のところ、選手や関係者はどのように感じているのだろうか。 チームキャプテンの鈴木明子は、「表彰式を見て、やっぱりメダリストになりたかったなと思った」と闘志に火が付いたような面持ちで語った。鈴木は、団体の女子フリーに出場。大きなミスはなかったものの、点が伸びず4位に終わり、「まずは自分の責任を感じている」と反省。そのうえで、「全体的に強くないと難しいと感じた」と続けた。 「全体的」とは男女シングルに加え、ペアやアイスダンスのカップル競技を含めた全4カテゴリーを指す。今回のソチ五輪では、全4カテゴリーにメダル争いのできる選手を揃えることができなかった。団体戦は真の「フィギュア王国とはどこか」を決める戦い。その争いでメダルを取るには、4カテゴリーの中で弱点種目をなるべく減らし、強い種目を多くしていくことがカギとなる。 では、日本がメダルを取るためには何が必要なのだろうか。すぐに思い浮かぶのは、ペアとアイスダンスという、カップル競技の強化である。これは一朝一夕では成し遂げられない難しい課題だ。そもそも、フィギュア大国では、小学校のうちからペアやアイスダンスに取り組むケースが少なくない。キャシー&クリスのリード姉弟も、小さいころからアイスダンスをやっていた。また、小学生のころ中国で暮らしていたことのある高橋成美によると、ペアの人気の高い中国では、子どものころからペアだったという選手が大勢いるという。 だが、日本の場合、フィギュアスケートといえば、シングル。そのため、カップル競技の選手が圧倒的に少なかった。加えて、男子の長身選手が不足している。