<ソチ五輪>フィギュア団体はなぜ敗れたのか?
対して日本は、団体にも力を入れつつ、男女シングルの個人種目に大きく配慮した選手起用を選択した。小林芳子強化部長は「団体はまずSPが終わった時点で、出場10チーム中5位に進むことが必要だった。そのためSPでは浅田真央選手と羽生結弦選手というエースを投入して戦った。ただ、日本の場合は、すべてを団体に注ぎこまないと表彰台は難しい実力。さらに(男女ともシングルでメダルが期待できるという)状況を考えると、個人戦を顧みずに投入するというのは強化部としてはなかった」と言う。 今シーズン限りで競技者人生に幕を下ろすと表明している鈴木は、「国別対抗戦で団体も経験しているが、やはりそれとは違った。チームの皆が、五輪では独特の緊張感があるということを、演技を終えた後に言っていた。ただ、その中でペア1年にしてここまで持ってきた成ちゃんと龍くんがいたからこそ団体戦で戦えたので、本当に頑張ってくれたなと思う。日本もカップル競技が強くなってくればすごくチャンスが広がる。団体戦はまだ第1回目。次の世代の子たちに期待したい」と後続たちに託した。 真のフィギュア王国になるには、フィギュア界に新たな流れが生まれることが必要。団体という新種目が日本のフィギュアシーンをガラリと塗り替えるかも知れない。 (文責・矢内由美子/スポーツライター)