豪州裁判所、クラーケン運営会社に510万ドルの罰金命令
豪州のクラーケン運営会社に510万ドルの罰金命令
豪州の連邦裁判所が、暗号資産取引所クラーケン(Kraken)の現地運営会社に対し、1,100人以上の顧客に違法に信用枠を提供したとして、800万豪ドル(510万米ドル)の罰金を支払うよう命じた。同国の企業監視機関が12月12日発表した。 オーストラリア証券投資委員会(ASIC)は昨年、豪州でクラーケン取引所を運営するビットトレード(Bit Trade)に対し、証拠金取引商品の規則を遵守しなかったとして民事訴訟を起こしていた。 ASICによるとビットトレードは、証拠金取引商品が適切な顧客に提供されるかどうかを確認せず、その結果、500万米ドルを超える損失を発生させたとしている。 「ビットトレードは、1,100人以上のオーストラリア人に証拠金拡張商品を提供し、適切性を考慮することなく、総額700万米ドル以上の手数料と利息を請求した」とASICは声明で述べた。 ビットトレードの製品は、ビットコインのようなデジタル資産や米ドルなどの法定通貨で証拠金拡張、すなわちクレジットやローンの形で貸し出しや返済を可能にしていた。 この訴訟の結果に失望していると、クラーケンの広報担当者は電子メールで述べた。 また広報担当者は、「私たちはこれらの判決がオーストラリア経済の成長を大きく阻害すると考えている。今後は、政策立案者や規制当局と建設的に協議し、これらの規則が策定される中で前向きな議論をしていく予定である」と述べた。 連邦裁判所は8月、この製品は法定通貨建ての証拠金拡張を提供しているため信用枠に該当すると判断した。信用枠には、どの消費者層がこの商品に最も適しているかを示す、「ターゲット市場決定書」と呼ばれる公開文書が義務付けられると判断した。 規制当局によると、この罰金は「ターゲット市場決定書」がないという理由で法人に対して課された初めてのケースである。 (1米ドル = 1.5593豪ドル) ※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。 Australia orders $5.1 million fine on Kraken crypto exchange operator (Reporting by John Biju in Bengaluru; Editing by Sonia Cheema and Abinaya Vijayaraghavan)
大津賀新也(幻冬舎 あたらしい経済)