日本は42年遅れてる?ジェンダーギャップ指数15年1位の国が「男性育休義務化」を推進する意味
団結しているのは男性を批判するものではない
協会では、5年ごとに各社に対して女性の登用状況を調査しているほか、漁業関連企業で働く女性たちの存在を社会に発信しているともいう。 「漁業も人手不足問題が深刻です。だからこそ女性たちが働きやすく、働きがいのある職場を作っていくことで、若い世代の女性たちも入りやすくなる。私たちが団結しているのは、男性を批判するものではなく、漁業で働く女性たちの認知度と地位を上げていくためなのです」(ギルベルツドッティルさん) 漁業協会に所属する女性たちの間でも、登用されれば、「なぜあなたが役員になれたのか」「社長の血縁だったからか」と男性たちから言われることは少なくないという。「それでも」と、ギルベルツドッティルさんはこう話した。 「私は、私の意見を常に言うようにしています。声を上げることを諦めないことはとても大切なことなのです」 アイスランドの平等に対する歩みが止まらないのは、「女性の休日」や女性漁業協会に象徴されるような、女性たちの連帯があるからだ。平等は「待っていて」自然に達成できるものではない。諦めずに声を上げ続けている女性たちの存在が社会を、国を動かしている。
浜田 敬子(ジャーナリスト/前Business Insider Japan統括編集長)