日本の中小型株に妙味、資本効率改善に期待-フィデリティの運用者
(ブルームバーグ): フィデリティ投信の旗艦ファンドの一つ、「フィデリティ・世界割安成長株投信(テンバガー・ハンター)」の運用担当者は今後、日本の中小型の割安株に投資妙味が出るとみている。大企業で進み始めた資本効率の改善が、中小型株にも広がると考えているためだ。
ポートフォリオ・マネジャーのモーゲン・ペック氏とサム・シャモビッツ氏がメディア向け説明会で述べた。シャモビッツ氏は日本株市場において「中小型の割安株は長期的にみて、おそらく最も興味深い」と言及。豊富な資産を持つ一方で今のところ資本効率の改善に向けた動きは遅いが、今後「変化が出てくる可能性がある」との見方を示した。
日本株市場では日経平均株価が3月に4万円を超える史上最高値を付けるなど、今年に入り15%以上上昇し、世界の主要市場を上回っている。機関投資家の買い余地が注目される中、同投信の地域別の組み入れ比率については3月末時点で米国は48%、日本が8.2%となっており、米国株を減らす一方で、割安な日本株などの割合が増えているという。
日本のコーポレートガバナンス改革は「まだ初期段階だ」とペック氏は指摘。数年前と比較して企業の経営者の意識は変化しているが、特に中小型株にはまだ浸透していないとし、改善が期待できるとの認識を示した。
セクターに関してシャモビッツ氏は、グローバルで金融セクターを増やしているとした一方、日本については世界的に需要が旺盛なテクノロジーやヘルスケアにより妙味があると説明した。
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Nao Sano