日本株、じつは今年すごいことになっている「自社株買い」の勢いにのる「プロ厳選企業5選」を実名紹介
6月後半は株主総会シーズンにあたる。例年、3月期決算企業の株主総会の日程が接近するにつれて、日本株市場は堅調に推移しやすいというアノマリー(季節性)がある。背景に大人の事情があるか否かは定かではないが、株主総会前に押し目(相場が軟調に推移する場面)があれば、積極スタンスで報われるケースは多いと考える。 【マンガ】「長者番付1位」になった「会社員」の「スゴすぎる投資術」の全容 特に注目したいのは、株主総会前に自社株買いの公表をしている企業群。2013年から2023年までの事業法人の売買動向データを見れば、株主総会シーズンである6月に向けて買い越しの額が大きくなる傾向がある。 特に今年は、2024年5月時点で自社株買いを決議している企業の取得上限金額は9兆円超と、前年の約1.8倍に迫る規模に膨れ上がっている。足元の日本株市場は方向感を欠く動きが目立つが、自社株買いが例年以上のペースで進めば、需給関係の改善が期待できるだろう。直前で自社株買いを公表した企業に注目してみたい。
参天製薬(4536)
■株価(6月7日時点終値)1608.5円 国内の医療用眼科薬市場で50%超のシェアを誇る眼科医療分野のトップ企業。5月10日から11月6日までの期間で、発行済み株式数の5.8%に相当する2111万株、総額380億円を上限とする自社株買いを発表している。 国内主力製品であるドライアイ治療剤「ジクアスLX」や抗アレルギー剤「アレジオン」のクリーム製剤などに加え、近視進行抑制剤「STN1012700」、眼瞼下垂治療剤「STN1013800」など、革新的な新薬開発に注力している。 「2025年度売上高1000億円、営業利益100億円」を目指す中期計画の実現に向けた取り組みには期待が持てる。同社が13%のシェアを持つ中国では、政府主導の近視抑制対策によって市場規模が拡大している。足元では近視抑制剤「STN1012700」の臨床試験フェーズII/III試験を実施中で、中国市場における大型薬となる期待が高い。国内においても強度近視リスクの高い小学生を中心に普及が見込めるだろう。