ADHDの子を持つ親は「子どものセラピスト」になろう――叱らずに導く”ペアレンティング”をご紹介!
できることに目を向け、たくさんほめる
子どもをみていると、ついついできないことに目が向いて、叱責してしまいがちです。けれども、叱責したからといって、次から正しい行動がとれるようになるわけではありません。子どもの望ましい行動を引き出すには、ほめることが大切です。 ふだんの何気ない行動でも「よくできているね」など、その都度、ほめてあげてください。親が喜んでほめることで「それは望ましい行動だよ、もっとやってほしいな」というメッセージとして伝わります。本人にも自信がつきますし、信頼関係を築くことにもつながるでしょう。 ■ほめることで自信につなげる 子どもの望ましい行動を引き出すには、叱責ではなく「ほめる」ことが大切。自分に自信がもてるようになり、周囲との関係性もよくなります。 ■ほめるコツをつかむ 子どもが望ましい行動をしたら、その場ですぐにほめてあげましょう。“できて当たり前” のことも、くり返しほめるようにします。 ■親である自分もほめる 親が子育てに悩むのは、真摯に子どもと向きあい、一生懸命子育てをしている証拠です。自分自身も精一杯ほめてあげましょう。
叱らずに導く方法を身につける
子どもが「あれ買って!」と泣いて駄々をこねる――。こんなときは「淡々と買い物を続ける」のが正解です。反応しないことで、子どもは次第に「不適切な行動」に気づくようになります。 子どもが望ましくない行動をとったときには、まず親自身が冷静になること。危険を伴わない許容範囲内の不適切な行動であれば、基本の対応は計画的に「無視する」ことです。知らんふりをすることで“あなたの行動は不適切”というメッセージを伝えます。 公共の場などで無視するのが難しいときは、「入っちゃダメでしょ!」と怒鳴るのではなく、「そこから出なさい」と淡々とやるべき行動を伝えてください。許しがたい行為や危険な行為には、軽いペナルティを与えます。その後、適切な行動がとれたとき、ほめてあげましょう。 ■叱れば叱るほど信頼が失われる 叱責すればするほど、子どもの自尊心は低下していきます。親子関係も改善されません。
叱らず導く「ペアレンティング」
子どもの不適切な行動には叱らずに、「ペナルティを与える」か「無視する」で対応します。 ■ペナルティの与え方 ・シールやスタンプをとりあげる ・ゲームの時間を短くする ・別室でクールダウンさせる ・冷静にペナルティを告げ叱責はしない 続きは<ADHDの子どもが起こしがちな、友達とのトラブルに親が入ってはいけない!? ペアレンティングの三大原則>で公開中!
榊原 洋一(お茶の水女子大学名誉教授)