エアブラシ使いこなしのポイントはとにもかくにも塗料の濃度!【達人のプラモ術<エアブラシ編>】
■ノズル口径で選ぶエアブラシ
今回は、第1回の購入のポイントの補足から。 エアブラシには大きく分けてダブルアクションタイプ、トリガータイプ、シングルアクションタイプなどの、それぞれ機構が違うタイプがあることは前回書きました。エアブラシは、デザインや機構的な違い(吸い上げ式カップや重力式カップ等)はあれど、空気を使い塗料をミスト状にして塗装するという機能は一緒です。 【エアブラシの違いについて】 そして機構的な違いはあれど、共通している点がエアブラシにはあります。それがノズルの口径です。 口径は塗料が出るノズルの直径を指していて、一般的に口径0.18mm、0.2mm、0.3mm、0.5mm、大口径では0.8mmなどバリエーションがあります(※1)。 口径の違いを簡単に説明すると、口径が小さいほど塗料を細く吹く(塗装を描く)ことができる、大きくなるほど太く(大面積に)吹けるということです(※2)。 (※1)ノズル口径に関しては0.4mm、0.35mmと言ったモデルも存在する。またノズル口径0.8mm以上だとエアブラシではなくエアスプレーガンと表記される場合が多い。 (※2)シングルアクションエアブラシは0.3mmのみ、ニードルを手動で調整するためにノズルから塗料が垂れてしまうため大口径モデルではがありません。
■口径0.3mmがスタンダード
ホビー用としては、口径0.3mmが大スケールにから細かな塗装までをこなせるスタンダードサイズと言われています。前回紹介したホビー用エアブラシの原点モデル『オリンポス。ヤング』も口径は0.3mmでした。 より細かなグラデーション塗装や小スケールの迷彩には0.18mm~0.2mm、カーモデルのボディの塗装や大面積を塗装するなら口径0.5mmを選ぶといったところです。 そしてノズル口径を選ぶ際に注意しなければいけない点があります。通常エアブラシはコンプレッサーに繋いで使用するのですが、エアブラシのノズル口径が大きくなるに比例して必要な空気量が増加します。低出力のコンプレッサーやエア調整のためのレギュレーターがないコンプレッサーで大口径のエアブラシを使用すると、塗装に支障をきたす(塗装面がムラになる、塗料の粒がとぶ等)場合があります。逆に0.18mmといった小口径ノズルのエアブラシは、一部のメタリック系塗料などに見られる粒子が粗い塗料や粘度高い塗料だと、吹けない、あるいは詰まりやすいといったトラブルの原因になる場合があります。 とはいうものの、最近はコンパクトタイプのコンプレッサーの性能も向上しており、ノズル口径が0.5mmまでと限定すれば圧力低下に関してはあまり神経質にならなくても大丈夫だと思います。 個人的には、最初のエアブラシは汎用性の高い口径0.3mmを、セカンドエアブラシとして、カーモデルやミリタリーモデルなどそれぞれの塗装に特化した口径を追加するのがオススメです。