スーツに合わせる靴に迷ったら……黒のストレートチップならまず間違いなし!
十分元が取れるから、できるだけ上等なものを選ぶべし
ただ、ひと口に黒の内羽根ストレートチップといっても、世の中にはピンからキリまであるわけで。何を基準に選ぶのが正解か、レクチャーしましょう。 アッパーの素材は丈夫で長持ちする点や高級感を考えれば、上質な本革のモノがおすすめ。ソールに関しては、もっぱら冠婚葬祭などのフォーマルな場で使うなら、よりちゃんとして見えるレザーソールが、普段のビジネスでもガシガシ使うなら、ラバーソールがベター。甲からつま先にかけてのノーズは長すぎず、かつ短すぎないバランスのモノを選ぶのが正解です。 また、この靴だけは、ちょっと背伸びをしてでも予算の許す限り上等なモノを買うことを推奨します。 筆者自身は今から20年前、25歳の時に「トレーディングポスト銀座店」でクロケット&ジョーンズの「オードリー」というモデルを購入しました。当時でも10万円近くしたハンドグレードラインの高級品でしたが、「黒の内羽根式ストレートチップは一生モノ。ちゃんとした靴を1足持っていれば、どんなシーンにも臆せず臨めます」という当時の店長さんの言葉に心を揺り動かされ、分割払いで購入を決意しました。結果、「オードリー」はその言葉通り、いやそれ以上のパフォーマンスを発揮し、20年経った今でも“ここぞ”という場面の勝負靴となっています。 現在は、クロケット&ジョーンズの「オードリー」(上写真右)と、伝説の靴職人・関 信義さんが作った靴のハシモト(上写真左)の2足を愛用しています。こうしたクラシックなデザインの靴は、トレンドにも左右されないので高価でも長く使え、十分元が取れるのです。 プレーントゥやUチップ、ウイングチップ、モンクストラップなどさまざまな種類がある革靴。もちろん、着こなしやTPOによって靴を使い分けるのが真のおしゃれというものです。ただ、黒の内羽根式のストレートチップは、別格の万能アイテム。朝、玄関で迷ったとき、とりあえずこの靴を選んでおけば間違いありません。