<春に駆ける’22センバツ>只見 甲子園開幕まで28日 カウントダウン、高ぶる気持ち /福島
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場する只見の玄関に、開幕日(3月18日)までの日数を知らせる「デイカウンター」が設置されている。町内でポスターのデザインなどを手がける野球部OBの長谷部秀太さん(31)がデザインし、「生徒の目に付くところに置いてもらえたので、何日か分かることで、甲子園への気持ちを高ぶらせてほしい」と話している。 甲子園開幕まで28日――。同校の玄関に設置されたカウンターの日数は、出場決定の1月28日に49日だったが、3週間たった2月18日には28日となり、日々開幕までのカウントダウンを生徒たちに伝え続けている。 高さ1・5メートル、幅75センチのデイカウンターは、元々はいわき市のJRいわき駅改札内に置かれ、東京オリンピック開幕までの日数を表示していた。町が「JR只見線の再開通も控えているので、その時にも使えるかな」と12月中旬に県から譲り受けた。 その直前に、只見が21世紀枠東北候補校に決まり、「町を盛り上げるため、野球部OBで町内でデザイナーをしている長谷部さんとぜひ一緒に作りたい」とセンバツに向けたデザインを依頼。ほどなく完成し、昨年12月24日に学校に設置した。 野球部OBの長谷部さんは左打ちで、高校時代は一塁と右翼を守った。カウンターの正面には、町のキャラクター「ブナりん」が野球部の帽子をかぶり、自身の姿を重ね合わせ、左打ちでボールを打つイラストを描いた。 町の担当者は「只見の出場は磐城高校野球部元監督(現在は県高校野球連盟理事長)の木村保さんがプレゼンでアシストしたとの報道もあり、カウンターといい、いわきといい縁がある」と話す。 野球部で指導したOBがデザインしたことについて長谷川清之監督は「彼がデザインしたのは知らなかったが、いろんな思いが込められていると思う。1日1日を大切に甲子園に向けて練習していきたい」と喜んでいる。 長谷部さんは「甲子園出場はOBとしても信じられない。同じような境遇の学校にとっても希望になるのでは」と話し、「甲子園のスコアボードに『只見』と表示され、二回に校歌が流れるのが楽しみ。選手には、どんな結果になっても一生懸命にやっている姿を見せてほしい」とエールを送る。【三浦研吾】