腹痛と下痢や便秘に半年以上前から悩む人が、過敏性腸症候群(IBS)と診断されるまで
腹痛や下痢、便秘が頻繁に起こるので、電車に乗れば各駅で下車、試験や会議は何度も中座。食事後にすぐトイレに行きたくなるので、外食もできない……。そんな人は、「過敏性腸症候群(IBS)」かもしれません。よくわからない怖い病気というイメージを持つ人もいるでしょう。でも、原因をつきとめ、適切に対処すれば治せる病気です。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 そこで、この連載では、話題の新刊『過敏性腸症候群(IBS)くり返す腹痛・下痢・便秘から脱出するには』(水上健 著)のエッセンスを全8回にわたりご紹介。過敏性腸症候群(IBS)の特徴や治療法、日常生活で注意すべきことなどを詳しく解説します。 自身やまわりの人の症状を和らげながら、健康な体を取り戻していくためのヒントを見つけてください。今回は、IBSの検査や診断について見ていきましょう。 『過敏性腸症候群(IBS)くり返す腹痛・下痢・便秘から脱出するには』 第5回 〈パンと牛乳、ヨーグルト。朝食後に腹痛と下痢が起こる人は「過敏性腸症候群(IBS)」の可能性大〉より続く
過敏性腸症候群(IBS)を確実に診断できる医療機関を選ぶ
便秘や下痢があって腹痛がひどいときには、どういった医療機関を受診するか迷うでしょう。内科や外科など大腸の検査ができる医療機関で、過敏性腸症候群(以下、IBSと表記)であることを確実に診断されることが大切です。IBSの症状、とくに下痢を起こすがんや炎症性の病気も多いからです。 前回まで述べてきたように、IBSの主な原因は4つありますが、これらを見分けることは簡単ではありません。腸の形、食事内容によるIBSについての診断・治療の経験が豊富な医師も多くはありません。まずはかかりつけ医を受診して相談し、検査ができる医療機関を受診しましょう。 受診後は、必要に応じて、採血や腹部エックス線撮影、CTやエコー、内視鏡検査をおこないます。そして年齢にもよりますが、がんや炎症などの器質的疾患が除外されたうえで、「排便障害に伴う腹痛」としてIBSと診断され、治療が始まります。メンタル面の影響が大きい場合は、メンタルクリニックへの受診が必要なことがあります。