小玉良行、小林一毅の二人展が中目黒で開催。目が留まり、心が動くものに目線を向けて描き続けた作品とは。
〈かたがみ〉デザイナーの小玉良行と、グラフィックデザイナーの小林一毅による二人展が、東京・中目黒の古書店〈dessin(デッサン)〉で開催中。ポストカードに描き溜めた作品について聞きました。 【フォトギャラリーを見る】 〈かたがみ〉デザイナーの小玉良行が日常の記録を描き溜めた『DAILY RECORD 2023-2024』と、グラフィックデザイナーの小林一毅が街中で目の止まったものの“形”を描き積み上げた『言葉が立ち上がるまえに』。日常を切り取り続けた両者の作品たちが見られる二人展が中目黒の古書店〈dessin〉で開催中だ。 小玉は約800枚、小林は約600枚と合わせて1400枚以上のボリュームで、どちらも葉書サイズの絵を展示。全て原画を展示しており、来場者は実際に手で触れながら一枚一枚鑑賞することができる。 会場構成は小玉自身と、プロダクトデザイナーの有留颯紀が担当。有留のプロダクトや、〈かたがみ〉が本展のために設計した什器が展示に使用されている。
小玉良行 『DAILY RECORD 2023-2024』
2021年から〈かたがみ〉のプロダクトをデザインしている小玉だが、絵を描き始めたのは2023年からだという。『DAILY RECORD 2023-2024』と題して描いてきたのは「日々の生活の中で心が動くもの」。街中にある自然からデザイナーの椅子まで毎日描き続け、生活のそばにあるものの姿に向き合った800枚が展示されている。自身が見たそのままを描くように意識し、絵を見たときにそのものが目の前に存在し、質感をリアルに感じることが出来るよう努めていると言う。日々の“記録”は個人のSNSにアップしており、生活を追うように作品を覗き見できる。 「〈かたがみ〉の《Post Card Size Frame》という商品があるんですけど、それに向けて小林さんに絵を描いてもらいたいと去年の10月ごろに声をかけたら、ちょうどそのタイミングにポストカードに作品を描きはじめていたと知ったんです。それで、お互いかなりの量の絵を描いているとわかったことから、今回の展覧会が実現しました」(小玉) 「展示にあたり、僕は束ごとに有機物と無機物に分けて並べています。手に取って見たり並べてみたりして鑑賞できるようにしているので、順番が変わってしまっても構わないんですけど、今はその中で自分でも『良かったな』と思えるものを上に並べています。小林さんの絵はポスカで描いているので大丈夫ですが、僕のは鉛筆で描いているものを展示しているので、手が汚れてしまわないように手袋も用意しています」(小玉)