<高校サッカー>城氏が選ぶ2020年東京五輪で期待できる逸材8人
全国高校サッカー選手権大会の決勝は、54090人ものファンで埋まった。大会を通じて観客動員も31万人を超えたが、そ多くのファンをひきつけた理由のひとつに、今大会のサッカーの質と選手の個のレベルの高さがあったと思う。決勝の東福岡対国学院久我山は、5-0の大差がついてしまったが、試合内容としては、非常に面白かった。国学院久我山が標榜したパスサッカーも高校サッカー界に一石を投じたと思う。 今大会のすべての試合を観戦、取材できたわけではなく、評判の選手のプレーを見落としてもいるので、そのあたりを差し引いていただきたいのだが、私なりに4年後の2020年の東京五輪で、U-23の日本代表を背負う期待感のある8人をピックアップしてみた。中には2年生のプレーヤーもいる。来年度の大会で、どれだけ成長した姿を見せてくれるのかも楽しみである。 【小川航基 180/70 FW 桐光学園、藤川虎太郎 173/60 MF 東福岡】 どうしても気になるFWでは、桐光学園、小川のひとつひとつのプレーの質の高さが目を引いた。スピードを生かして裏に抜けることもできるし、ポストプレーもできる。なにより、ゴール前での落ち着きと、ゴールへの嗅覚が素晴らしいオールラウンダー。ジュビロへの進路が内定しているが、名波監督が、「Jでも即戦力」と言っていたのも、なるほどと納得できる。 今の世界基準としては、何かひとつに秀でた選手よりも、すべてにおいてレベルの高い対応力のある選手が評価され活躍する傾向があるが、その意味で、小川は世界基準のストライカーだ。得てして、こういう注目の選手は、プレッシャーに負けてしまうことも多い。彼も青森山田戦でPKは外したが、4得点を挙げるなど結果を出した。精神面の強さもある。 決勝戦でゴールを決めた東福岡の藤川も、2年だがダイナミックなプレーが魅力。チームを攻撃へと向かわせる推進力を持っていて、キックにはパンチがありシュート力もある。 【名倉巧 167/58 MF 国学院久我山】 ボールを扱う足元のテクニック、ボディワーク、緩急の付け方などに目を見張るものがある。彼のボールのコントロール力は群を抜いていて、まだ2年だが、司令塔、チャンスメーカーとしては、間違いなく高校ナンバーワンだ。国学院久我山のパスサッカーにもうまくマッチしている。身長は低いが、それでもいて簡単に倒れない。よほど身体能力が高くバランス感覚があるのだろう。