<高校サッカー>城氏が選ぶ2020年東京五輪で期待できる逸材8人
【脇野敦至 183/67 GK 東福岡、廣末陸 183/78 GK 青森山田】 今大会では、安定感があり、総合力でまとまったキーパーが揃った。キャッチング、セービング、ディフェンスとのコミュニケーション能力に長けて安定していたのが、優勝した東福岡の脇野だが、私が驚かされたのは、青森山田の2年生キーパー、廣末のキック力だ。彼の距離の稼ぎ、しかも正確で精度の高いフィードは、日本代表キーパーである西川のそれをほうふつさせるほど。将来が楽しみなポテンシャルの高さを感じさせてくれた。 【常田克人188/80 CB 青森山田、星キョーワァン 184/77 CB 矢板中央】 ディフェンスにも素質を持った選手が少なくなかった。ベガルタへ進むことが決まっている青森山田の常田は、プレーに安定感があり、1対1にも強い。カバーリングのセンスや運動量も申し分なかった。ディフェンダーとして世界に通用する高さもある。またコンゴ人の父を持つ選手として注目されていた星も、これまでは、まだフィジカルの弱さが目立っていたが、肉づきがよくなり筋力がついてきたのか、持ち前の身体能力を生かせるようになってきた。細かいテクニックなどはまだ物足りないが、ここからのノビシロには期待できる選手だろう。 【原山海里 174/68 SB 青森山田】 青森山田の原山の40メートルを越えるスローイング技術は、これまでのスローイング観を根底から覆すほどのインパクトがあった。青森山田はもうひとつのセットプレーを持ったのと同様で、何度も得点シーンを演出した。Jリーグからの話は来ていないらしいが、もし私が監督ならば獲得したいと考える。例えば、残り時間が少ない中で、パワープレーで勝負しなければならない局面で彼のような飛び道具があればチームのオプションが増える。もちろん、プロでやるにはスローイング以外の走力も技術もレベルアップしなければならないだろうが、2020年の東京五輪代表チームの秘密兵器となっている可能性もあるだろう。 (文責・城彰二/元日本代表FW)