上沢直之がソフトバンク入団も先発入りは「狭き門」 日本ハム戦では「ブーイングの重圧も」
■レベルが高い先発陣の中でローテ入りできるのか もっとも、上沢のソフトバンク入団についていえば、他球団の幹部は「日本ハムのダメージは少ないのでは」と分析する。 「先発陣はそろっているので、上沢が復帰してもローテーションを確約できない。対戦相手としてもそこまで脅威に感じないでしょう。上沢はスタミナ十分でイニングイーターとしての能力は高いですが、2ケタ勝利は2度のみで実績がズバ抜けているわけではない。ソフトバンクにFA移籍したからといって、活躍が保証されているわけではありません。先発ローテーション入りの競争は日本ハム以上にレベルが高いですからね」 圧倒的な強さで首位を独走し、4年ぶりのV奪回を飾ったソフトバンクは、今年の先発陣の防御率が2.53。もちろんリーグトップだ。最多勝に輝いた有原、最優秀防御率を受賞したモイネロの左右の両エースに、スチュワート・ジュニア、大関友久、大津亮介、東浜巨と力のある投手がそろい、松本晴、前田悠伍、前田純と若手成長株も先発ローテーション入りを虎視眈々と狙っている。ロッテにFA移籍した石川柊太も、先発陣の層が厚いチーム事情のため、開幕時には2軍スタートだった。石川と現役引退を発表した和田毅がいなくなるのは痛手だが、現有戦力でも十分に戦える。 有原もソフトバンクに移籍1年目の昨年は先発の座を確約されていなかった。オープン戦で2試合登板して結果を残せず、開幕を2軍で迎えた。ウエスタンリーグで登板を重ね、大関友久が体調不良で離脱したことを受けて6月上旬に1軍に緊急昇格。先発で安定した投球を続けて首脳陣の信頼を勝ち取り、結果的に10勝5敗と2ケタ勝利をあげた。 「移籍1年目の有原はファームで良い状態に見えませんでした。直球が走っていなかったし、痛打を浴びる機会も少なくなかった。大関が想定外の形で離脱していなかったら、1軍での先発機会はもっと遅かったでしょう。1軍のマウンドで結果を残すことで居場所をつかみましたが、上沢の場合はどうか。新天地で色々覚えないといけないことも多いので、すぐに結果を出すのはなかなか難しい。常勝を義務づけられている球団なので結果を残さなければ、立場が厳しくなる。スタートが大事ですね」(福岡のテレビ関係者)