「新しい部活動をつくる」政府が中学校部活動の「地域移行」を進める中で熊本市は独自案
KKT熊本県民テレビ
政府は、公立中学校の部活動を地域の団体などに委託する地域移行を進めています。一方で、1万2000人以上の部活動の部員がいる熊本市の公立中学校は、地域移行とは一線を画し、「新しい部活動をつくる」案をまとめました。
国をあげて改革が進む部活動。少子化や教員の負担などから、政府は部活動を地域の団体などに委託する地域移行を進めています。この地域移行をめぐり、熊本市教育委員会は…。
■熊本市 遠藤洋路教育長 「学校部活動の意義を全面的に地域に委ねた場合に実現できるのかというと今の熊本市の状況では非常に難しい」 熊本市教委は、公立中学校の部活動を新たなカタチで継続する案を示しました。
その一つは、すでに今年度から始まっています。それは、4月から始まった「合同部活動」。市内の公立中学校同士が連携し、入学した学校に希望する部活動がない場合でも、連携する学校で入部することができます。
さらに、新しい部活動では教員の負担を減らすため、指導者の対象を希望する教職員のほかに、民間の企業や公務員など地域から募ります。また顧問を担当する指導者には1時間あたり1600円を支払い、地域全体で部活動を支える社会を目指しています。 熊本市教委は、2027年度中に新たな部活動への移行を目指しています。子どもたちの喜びや経験の場を守るために、新たな挑戦が始まります。 【スタジオ】 (緒方太郎キャスター) 熊本市教育委員会が目指す新しい部活動の形です。
▼これまで ▽少子化のため学校単位で多様な部活動厳しい ▽教職員の負担が大きい ・平日は無償、休日は少額の手当で従事している ▼熊本市教委が目指す形 ▽中学校同士が連携し、多様な部活動を確保 ▽指導者には1時間当たりの報酬を出し、希望する教職員のほかに、民間の企業や公務員などからも募る この報酬について、熊本市教委は約1600人が部活動を指導すると想定し、報酬などとして年間約6億5千万円が必要と試算しています。新たな部活動実現に向けて、熊本市がモデルケースになるのか注目です。