カルピスのブランド担当者が語る知られざる「カルピス菌」のヒミツ
機能性表示食品の「PLUSカルピス」3種類
これだけのロングセラーになっているのは、守るべき部分は守り、挑戦する部分は挑戦してきたことが大きいと思います。 三島海雲は「カルピス」の基本価値として4つの言葉を残しています。おいしいこと、安心感があること、滋養になること、経済的であること。この4つはずっと守り続けてきたものです。 「カルピス」にしか出せない味を作る製法もそうです。一方で、時代のニーズだったり、社会の変化に対応しながら、常に新しいことにチャレンジしてきた。それがお客さまにご支持いただけているのだと思います。 基本的な作り方は100年以上、変わりませんが、「カルピス」の味は時代に合わせて微調整が行われています。時代によって、求められるものは変わっていくからです。 どう評価されているのか、毎年のようにリサーチをしていますが、それをもとに本当に細かな微調整が行われます。 進化もしています。例えば、昔の「カルピス」は飲んだ後に、喉に白い粒々が残ることがありました。乳タンパク質が唾液と混ざることで、あの塊ができるんですが、今はほとんどありません。お客さまからの声で、なくすための技術を開発したんです。 また、「カルピス」の価値を見直して、お客さまにお伝えする取り組みにも力を入れています。国産の生乳を原料として乳酸菌と酵母で自然発酵する自然製法で作ったものだということを知っていただくことです。 最近のチャレンジは、機能性表示食品の「PLUSカルピス」シリーズです。私自身がブランド統括として担当し、免疫サポート、睡眠・腸活ケア、体脂肪ケアの3つを展開しています。 「カルピス」はおいしい飲み物をメインに据えてきましたが、健康ニーズに応えたものにもブランドを広げていこうと取り組みを進めています。 「カルピス」の安心感や親しみやすさ、おいしさは大きな強みになると考えています。
上阪 徹(ブックライター)