迫害を受け母国を逃れたロヒンギャ難民の現状を知るべく堀潤がバングラディッシュへ…そこで見た彼らの姿とは?
TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜18:00~)。「New global」のコーナーでは、キャスターの堀潤がバングラディッシュを取材し、ロヒンギャ難民の現状を伝えました。 ◆ロヒンギャの今を知るべく難民キャンプへ ミャンマーの少数民族「ロヒンギャ」の人たちは2017年以降、ミャンマーから隣国バングラディッシュに逃れ、難民キャンプを作りましたが現在はどうしているのか。今回はキャスターの堀潤が現地の模様を取材しました。 ミャンマーとの国境に近いバングラディッシュ南東部のコックスバザールにある難民キャンプにはすでに100万人以上が暮らしていますが、ミャンマー国内で戦闘が激化し、ここ数ヵ月でさらに約8,000人のロヒンギャが避難を余儀なくされています。 バングラディッシュ政府はこれ以上難民を受け入れることができないとするなか、現地では国連機関「IOM(国際移住機関)」などの支援が続いています。 そんな難民キャンプで、堀はロヒンギャたちのさまざまな悩み・相談に乗っているというIOMの施設へ。そこには夫が働けなくなったという女性が訪れており、現地のスタッフが話を伺い、働く場所を紹介していました。ここでは就業支援の他、トイレや生活水、食料などの提供も行っています。 そうしたなか、キャンプの一角から黒煙が上がります。住宅がひしめき合う難民キャンプでは、大規模な火災が度々発生しているそう。そこで、IOMは難民キャンプで暮らす人たちが自分たちで消化活動が行えるよう訓練を実施。火災を近隣住民に通知する手段から消化器の使用方法をレクチャーするなどIOMはさまざまな支援を行っていますが、現状では必要とする活動支援金は約2割しか集まっておらず、限られたなかでの活動を続けています。 ◆今後は支援活動がさらに困難になる可能性も… 現地を取材した堀は、「(ロヒンギャの人たちは)自分たちでここで生き抜く、自分たちで支え合う、そしていつか(故郷に)戻れることを信じて、ここでの営みをなんとか豊かにしようと奮闘している」と率直な感想を語り、「だからこそ世界中からのサポートを待っている」と力を込めます。 しかし、彼らはただ支援を待つだけではなく、男性・女性、さらには子どもたちもものづくりの技術の習得や職業訓練を行うなどしているそうです。 また、この難民キャンプのある場所はもともと何もなかった場所で、そこにキャンプ全体を巡る水道網を設置。その支援を行うドナー国のひとつが日本で、JICA(国際協力機構)が技術を提供しています。そのため、「原資は税金。私たちもこの地域の水を支えている」と言います。しかし、前述の通り現在は予算が厳しい状況。堀は「今、世界各国で戦争・紛争が起きていて、ロヒンギャへの眼差しは薄い」と憂い、さらには「(アメリカで)トランプ政権が誕生すると国連機関からの拠出金引き上げがまた顕著になる可能性がある」と危惧します。 国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソンさんは、今回のレポートを観て「日本に堀潤がいてよかった」と胸を撫で下ろします。というのも「どうしても(日本での)大手メディアのニュースにおけるロヒンギャの優先順位は低い。そして、それを突きつけて自分のこととして考える距離感に持っていく報道が少ない」と堀の行動を称賛。 さらにモーリーさんは、「(今の報道は)国連論に終始しがちで、『トランプは……』などマスメディアは大きな話はうまいが、人々の痛みを感じる距離を嫌がる。それをあえて突きつける番組をやっていて嬉しい。ぜひ続けてください」と堀にエールを送ります。 「The HEADLINE」編集長の石田健さんもモーリーさんの意見に賛同し、「シリアやイスラエルも含め、今まさに情勢が変化しているところに関しても全然報道がされていない」と日本の報道の現状を悲嘆。そして、「年末になって『難民に寄付を』という連絡が来るが、そういうときしか我々がそういう情報に接する場がない。これはマスメディアだけでなく、ネットでも報道されていない。こうしたニュースを観て、改めて我々の関心から国が動き、市民が動き、支援の形ができてくる。その流れを作っていかなければいけないと思う」と話していました。