中国AYANEOが液晶付きミニPCやポータブルゲーミングデバイスの新製品を一挙発表
中国の深センに拠点を構えるゲーミングデバイスメーカー「AYANEO(アヤネオ)」が、Androidゲーミングデバイスの国内投入を発表した。縦型デザインの「AYANEO Pocket DMG」、7型有機ELディスプレイ搭載の「AYANEO Pocket EVO」と、既存モデル「AYANEO Pocket S」の新色などだ。 【写真】Pocket EVOは、鮮やかで明るい有機ELディスプレイが目を見張る その多くは、過去に発売された“何か”を思い出させるような外観をしている。しかし、AYANEOのアーサー・チャンCEOは、「(過去の他社製品を)オマージュはするがパクリはしない」と語る。この記事では、チャンCEOが語った新製品の見どころを紹介する。 →速報記事
“クラシック”を再定義する「Pocket DMG」
「真のゲーマー、ゲーマーを知る」(Real gamers know gamers)――これがAYANEOの理念だ。チャンCEO自身、100台以上のMD(ミニディスク)プレーヤーを所有し、ソニーの工業デザインに関する本を執筆したという経歴を持つ、コアなガジェットファンだ。 そんな彼が率いる同社が、満を持して投入したのが初代ゲームボーイから着想を得た「Pocket DMG」だ。 「感覚的に似せているが、形は全く似せていない」というチャン氏の言葉通り、Pocket DMGはゲームボーイを想起させながらも、独自の“美学”を備えている。 物理ボタンとタッチ操作の融合、クラシカルな外観と最新テクノロジーの調和など、随所にAYANEOのクラフトマンシップが光る。チャンCEOによると、Pocket DMGはゲームボーイだけでなく、ソニーのMDプレーヤーやのPDA「CLIE(クリエ)」など、往年のガジェットからも着想を得ているという。言われてみると「なるほどな」と思うポイントも見受けられる。 ゲーム機として見た場合の本機は、3.92型有機ELディスプレイ(1240×1080ピクセル)と、QualcommのSoC「Snapdragon G3x Gen 2」を組み合わせていることが特徴だ。 ディスプレイは419ppiの高精細で、アスペクト比と解像度はレトロゲームの表示に最適なものを選定したという。有機ELの特性を生かして、画面の非表示部分(黒枠)が目立たないため、表示された画面への没入感は高い。 「縦型ゲーム機で2つの物理スティックを搭載すると不細工になる」というチャンCEOの美意識から生まれた独自のソリューションが、左ジョイスティックの左側にあるタッチパッドだ。半年の開発期間を経て、物理スティックに迫る操作性を実現したという。 左側面に配置された「マジックスクロールホイール」も、単なるボリューム調整ホイールを超える機能を持つ。日本の部品メーカー「アルプスアルパイン」製のこのホイールは、長押しでメニューの呼び出し、回転で項目選択、クリックで決定という多機能な操作系を実現している。画面輝度や冷却ファンの回転数、振動強度など、さまざまな設定をその場で調整できる。 Snapdragon G3x Gen 2は、ゲーミングデバイスでの利用を想定したSoCだ。それだけに、システムに高い負荷がかかり続けると発熱が大きくなる。 その点、Pocket DMGでは約1万3300mm2の大型冷却機構により、Snapdragon G3x Gen 2の性能を最大限に引き出せるようにしている。手持ちのレトロゲームをエミュレーターを介して遊ぶ際はもちろん、最新のモバイルゲームもストレスなく動く。 バッテリーの容量は6000mAhで、レトロゲームなら10時間以上のプレイが可能だという Pocket DMGは2025年1月31日の発売予定で、価格は8GB/128GBモデルが8万4800円、16GB/512GBモデルが10万9800円、特別なレトロカラーモデル(16GB/1TB)が12万4800円となる。通常モデルのカラーはムーンホワイトとアークティックブラックから選べる。 なお、本製品を12月1日までに予約して購入すると、本体価格が5%引きとなる。また予約特典として専用メッシュケース、液晶ガラスフィルム、ジョイスティックキャップが付属する。