山本康二さんが新R25副編集長にガチ檄。「暗くても、パッとしてなくてもいい。リーダーに必要なのは一つだけ」
「じゃあムリだよ」…なぜ、芯を食ったビジョンを描けないのか?
天野: 先ほどは聞かれた「メンバーにどうなってほしいか?」という話をちょっと考え直しまして… 僕はいっしょに働くメンバーに、やらされ仕事ではなく、仕事を楽しんでほしいと思っていて。 山本さん: だとしたら、楽しめる仕事は世の中にいっぱいあるなかで「我々の仕事はどう違うのか?」をひたすら言語化する必要があるよね。 ちょっとやってみようよ。今。どんなふうに語りかける? 天野: えっ。 そうですね…僕はこの仕事はそもそも楽しいと思ってて、そう思ってほしいなと… 山本さん: それだと「僕」の考えを押し付けてるよね。 「我々」「あなた方」という主語で話さないと。そして、それを会社が求めるもの、世の中が求めるものと合致するまで磨いていく。 天野: たしかに…よかれと思って考えを押し付けていたのか… 山本さん: 日本の“1学年”って100万人いて、そのうち東大に入れるのは年3000人。 つまりほとんどの人は学歴コンプレックスがあるわけじゃん。それ以外にも見た目、性格、特技…人にはたくさんのコンプレックスがある。「自分」から考えたら暗くなっちゃうんだよ。 掲げる“夢”を語るほうが簡単じゃない? 天野: うーん。自分たちのミッションは何だろう、と考えたことはもちろんあるんですけど、芯を食ってる感じがしないというか… 山本さん: それ、考えた内容を人には伝えたの? 天野: あ、いや… 山本さん: じゃあムリだよ。 同僚、仲間に話して叩いてもらわないと、芯を食ったビジョンを描くなんてムリ。 俺も、「この社会ムカつかないか?」「変えたくないか?」って何万回、何十万回と話してきたよ。 話し方が下手でも暗くてもどうでもいい。最初の仕事は「こうしたい」と言うことじゃん。その“夢”を何時間でも話せるぐらい熱くならないと。 俺だって部下がシーンとなってクスクス笑われることもたくさんあった。でも、口に出さないと行動が変わらないし、合ってるかどうかもわからない。 自分の考えや発言をチューニングしながら、徐々に支持率が上がっていく。後輩や新入社員が奮い立つ姿を見て、確信に変わってくるんだよ。 天野: おっしゃる通りですね…… めちゃくちゃ反省しました…… 山本さん: もしかしたら、「同じような壁にぶつかってる人がいる」と考えて、設定としてダメなリーダーキャラを演じているのかもしれないけどさ。 そうだとしたらごめんね。 天野: 演じているとかではないです… ただ、なんというか、どこかでダメな印象を自らつくりにいってるのかなと自分で思います。 山本さん: ああ…それはラクしようと思ってるんじゃないの? 天野: ラク…? 山本さん: 三枚目キャラとか、イジられてるキャラってかわいいじゃん。 そういう位置づけってすごいラクだと思うんだけど、自己成長少ないよ。リーダーとして。