職場健診で「本当の身長」は測れない…正しい結果を出せないワケは、老化が引き起こす「意外な病気」にあった
毎年1回は受けることが義務付けられている職場健診。健診結果の異常を示す「*」がついた数値には、実は気にしなくて良いものもあれば、今すぐに再検査を受けなければならないものもある。果たしてあなたは診断結果の本当の意味を理解しているだろうか。 【漫画】くも膜下出血で倒れた夫を介護しながら高齢義母と同居する50代女性のリアル BMI・血圧・尿糖・眼底など項目別にその検査結果の正しい見方を解説した『健診結果の読み方』(永田宏著)より一部抜粋してお届けする。 『健診結果の読み方』連載第2回 『知らないうちに「5~10kgの体重増」…中年のカラダに待ち受ける「洗礼」の仕組みに納得』より続く
ホルモン異常が引き起こす体形の変化
身長に基準値や正常範囲はありません。 「令和元年(2019年)国民健康・栄養調査」によれば、年齢別・性別の身長平均値はバラツキはかなりありますが、統計学的には、50代までの男性なら158cmから182cmまで、女性では146cmから167cmまでに、95パーセントのひとが入ります。 残り5パーセントのひとは、この範囲を外れていますが、異常というわけではありません。実際、アスリートのなかには、もっと大柄の選手も大勢います。 ただし10代までの成長期に、ホルモンの異常から背が伸びすぎる、逆に背が伸びにくいというひとがいます。 成長ホルモンが出過ぎると、巨人症と呼ばれる症状が現れます。身長が異常に伸び、手足も長くなります。しかし筋肉などが付きにくいため、かなり細身の体形になります。 逆に成長ホルモンが足りないと、身長が十分に伸びず、低身長のまま大人になることがあります。
身長のピーク
どちらも治療法が確立されていますから、子供のうちに対応しておけば大丈夫です。とくに低身長児には、成長ホルモン療法が行われており、成人までに140cm以上に伸ばせるようになっているそうです。 20代以上のひとでは、脳下垂体の良性腫瘍などが原因で、成長ホルモンが過剰に分泌されると「先端巨大症」と呼ばれる症状が出てきます。 下顎が大きくなったり、手足などの先端が肥大したりします。ただし、すでに背骨や足の骨の成長が止まっているので、身長は伸びません。こちらも治療法が確立しています。 ほとんどのひとは、20歳までに身長の伸びが止まります。また25歳になってもまだ身長が伸び続けることはない、とされています。 とすれば、大学入学時や就職時の身長が、生涯の身長になるということでしょうか。 実はそう単純ではありません。身長は40歳前後まではほとんど変わりませんが、それを超えると縮み始めます。