マイニング企業、戦略の分かれ目──AIに賭けるか、市場シェア追求か
9月を振り返って
半減期後、マイニングをめぐる経済は厳しい状況となっている。 ビットコイン・ネットワークのハッシュレートは、7 日間の移動平均で、平均ハッシュレート 630 エクサハッシュ/秒 (EH/s) を維持しながら、史上最高の 693 EH/sに上昇した。ハッシュレートは、マイニングにおける競争力の指標であり、ネットワーク上でオンラインにある計算能力を計測したものだ。 9 月には、ビットコインの難易度 (ネットワークで新しいブロックをマイニングするのがどれほど難しいかを示す指標) も史上最高を記録した。この指標は、計算能力に基づいて 2016 ブロックごとに調整され、ブロックが 10 分ごとに一貫してマイニングされる上での難易度を表す。一方、グラスノード(Glassnode)によると、マイナーの収益性の指標であるハッシュプライスは、過去最低に近い水準にとどまっているにもかかわらず、1か月ぶりの高値である48.0ドル/秒を記録した。 個々のマイナーの月次データを詳しく見ると、時価総額48億ドル(約7055億円、1ドル=147円換算)で最大の上場マイナーであるマラソンは、9月に好調だったようで、9月のハッシュレートは5%増加して36.9 EH/秒となった。同社はまた、前月から5%増加して705ビットコインをマイニングし、4月の半減期以来、1か月間で最多のマイニング量となった。そして同社はビットコイン保有量を26842に増やし、上場企業の中ではマイクロストラテジーに次いで2番目に大きいものとなった。同時に、2024年末までに50 EH/秒に到達する見込みも維持している。 時価総額で3位のマイナーであるライオットも、施設全体の計算能力を増強したことで、9月にマイニングされたビットコインを28%増加させた。同社は、2024年第4四半期にハッシュレート36.3 EH/s、2025年後半までに56.6 EH/sに達すると予測しており、現在はバランスシート上に10427ビットコインを保有している。
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|翻訳・編集:T.Minamoto|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin Miners at a Crossroads: Gain Market Share or Go All-In on AI?
CoinDesk Japan 編集部