「逆にもうベストな状態では投げられんな」日本シリーズ初登板で好投 ソフトバンク24歳左腕の「開き直り」
◆SMBC日本シリーズ2024第3戦 ソフトバンク1―4DeNA(29日、みずほペイペイドーム) 突然の準備指令に189センチの長身左腕は動揺した。 ■「短期決戦は敗因を振り返る意味がない」【小久保監督一問一答完全版】 「最初は本当にびっくりして。え、マジみたいな」。それでもソフトバンクの前田純投手(24)は2回を無失点の好救援を見せた。 2年目の左腕はプロでは先発1本でやってきたが、ポストシーズンからはロングリリーフ要員として待機。2番手の大津亮介の乱調でスクランブル的な登板となったこともあり「元から投げるのが決まっていて(肩を)つくるのと、急に投げるとなるのは全然違う」と中継ぎの難しさを痛感した。そんな状況でも、好結果につなげたのは開き直りだった。 「逆にもうベストな状態では投げられんなと思って、開き直って」 マウンドでは制球を心がけるより、甲斐拓也のリードの意図をくみ取ることに集中した。「きちきちに投げても打たれるのかな、と」。先頭の森敬斗を空振り三振にとって勢いに乗った。 沖縄県出身の大型左腕は、アマ時代にスポットライトを浴びることは少なかった。育成から2年目の今季、支配下選手となり、プロ初登板で初勝利。そこからチャンスをつかみ、日本シリーズでの出番を勝ち取った。「すごいこと、というのを感じながらやりました。幸せでした」。日本中の野球ファンが注目する大舞台で、名刺代わりの27球の好投だった。(鬼塚淳乃介) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社