「自動化・効率化を追い求めるなか、半導体の重要性高まっている」「先進性の高い海外の半導体にフォーカス」…東京エレクトロンデバイス・徳重敦之社長
スマートフォンや自動車、家電などあらゆる製品に欠かせない半導体は、デジタル化の加速や、AI(人工知能)の浸透で重要性が高まっている。東京エレクトロンデバイスは、海外メーカーから半導体を仕入れ、国内企業に販売している。徳重敦之社長に話を聞いた。(聞き手・村瀬駿太郎)
「コロナ禍で需給が逼迫(ひっぱく)し、製品が足りなくなった。コロナが明けて、急に需要が増え、2、3年は同じような状況だった。顧客が何をしたかと言えば、買い込んだ。
現在は、中国景気が減速して在庫が余って調整期にある。2024年7~9月期から少し動き始めた。10~12月期は少しずつ改善しており、本格的になるのは1月以降かなと思う。
半導体そのものの需要は右肩上がり。たとえば、スマートフォンの性能を良くしようとするには半導体の進化が必要だ。同じサイズでパフォーマンスを上げるには、半導体の集積度を高める必要性が出てくる。だから、ものを作り続けているうちは、右肩上がりになる。
AIでも、データ処理にはできるだけ電力消費を抑えて小さなシステムでやっていくことが必要になる。どうしても米エヌビディアが頭に浮かぶが、そういったところが力をいれて、半導体を開発しなければ、AIも進化しない。だから、全般的に見て右肩上がりになる」
――半導体の重要性が高まっている現状をどうみるか。
「過去にはシリコンサイクルというのがあり、4年周期だと言われた。今はそのサイクルの山谷が小さくなってきている。スーパーサイクルというが、ずっと右肩上がりに山谷が繰り返される。過去と昨今の重要性は、受注の状況をみてもわかるかと思う。以前に比べても大きなものになってきている。
半導体も高度化し、顧客が作る製品も高度化している。特に、自動化、効率化を追い求めるにはどうしても半導体が必要になる。最近は、電気自動車(EV)の市場が軟化しているが、電動化には近づいていくと思う。半導体の重要性は高まっていると考えている」