クローガーによるアルバートソンズ買収、米連邦地裁が認めず
(ブルームバーグ): 米スーパーマーケット・チェーン大手クローガーによる同業アルバートソンズの246億ドル(約3兆7300億円)での買収計画について、オレゴン州の連邦地裁は10日、米食品スーパーの顧客獲得競争が損なわれるとして認めない判断を下した。
オレゴン州のネルソン連邦地裁判事は、原告の連邦取引委員会(FTC)の主張を認めた。その約1時間後、ワシントン州シアトルの裁判所も州司法長官側の主張を認め、買収計画を退ける判断を示した。
FTCは今回の合併計画について、反トラスト法(独占禁止法)に違反しており、C&Sホールセール・グローサーズに数百店舗を売却しても、失われる競争を十分に補うことはできないと主張していた。
今回の決定は、FTCと退任するカーン委員長にとって大きな勝利となる。同委員長はバイデン政権下で反トラスト法の執行を強化したとして、保守派や企業団体から厳しい批判を受けていた。
クローガーの広報担当者は、今回の判断に失望しているとコメントし、買収が顧客や従業員に加え、食品スーパー業界全体にとって最善の利益となることを示す証拠が見落とされていると主張した。同社は現在、買収に関する選択肢を検討している。
アルバートソンズの広報担当者は、同社が裁判所の判断を精査しており、合併合意に従って選択肢を検討しているとコメント。両社の弁護団は、判事が合併計画を認めない判断を下した場合、買収が中止される可能性があるとの見方を示していた。
C&Sホールセールの広報担当者は、同社が裁判所の決定に失望しているとした上で、クローガーとアルバートソンズが買収計画の次のステップをどのように決定するか期待しているとコメントした。
原題:Kroger’s $24.6 Billion Albertsons Deal Blocked by Judges (3)(抜粋)
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Leah Nylen