見どころたくさん!東京・玉川上水をたどるハイキング②三鷹から玉川上水駅へ
ここで都心部周辺の地形を俯瞰してみよう。石神井川、神田川、目黒川、多摩川によって、おおまかに3つの高台が形成されているようにとらえることができる。千川上水は北、玉川上水は中央の高みを流れているが、いずれもいかに遠くまで水を通せるかということが追究されたことと思う。南の高台方面には品川用水が分岐していたようだが、詳細を確認できていないので、今後調べてみたい。品川用水の痕跡を探すというのも、またおもしろそうだ。 ちなみに、それぞれの高台にはかなり複雑に尾根と谷が入り組んでいる。もし東京が森に覆われた山間部だったらと空想すると、相当なルートファインディング能力が試され、間違いなく道迷い多発地域になっていただろう。 さて次からは、境橋から先のパートに進んでいこう。
五日市街道と並走する直線区間
境橋からは、五日市街道沿いに小金井市北端から小平市へと通り抜ける直線区間となる。玉川上水の両岸に歩道があるが、五日街道側は車の通行が多いので、喧噪から離れて静かに歩きたい場合は、右岸側をたどるとよい。 途中、広大な小金井公園の入り口や、御成の松跡や海岸寺がある小金井橋を通過していく。ちなみにこの付近、玉川上水沿いはサクラの名所となっているとのことで、史跡名勝に指定されている。春にはまた違った景色を楽しめることだろう。
ここで、この付近の標高色分けした図を見てみよう。小金井橋付近の北は石神井川上流部、南は仙川上流部となっていて、その間を五日市街道と玉川上水が直線的に東西に延びていることがわかる。よく見ると境橋西側は仙川上流部の窪地のキワを通っている。 ちなみに北側の石神井川源流部付近では旧石器時代のものといわれる鈴木遺跡が見つかっており、出土物が展示されている資料館もある。また南側には国分寺崖線(こくぶんじがいせん)があり、こちらも興味深い地形だ。
少しずつ喧噪を離れ、自然豊かなエリアへ
五日市街道沿いにひたすら進むと、やがて喜平橋(きへいばし)に到着。五日市街道は、喜平橋からクランク状に玉川上水の右岸に移る。喜平橋から先の左岸は交通量が減るので、少し雰囲気が落ち着く。 しばらく歩いた後、西武多摩湖線の踏切がある小平桜橋を渡り、再び左岸の緑道に入る。ここからの緑道は木々に囲まれて自然度がより高くなり、心地よい。気づけば緑道の北側に、細い新堀用水が並行して流れている。 やがて、小平水衛所跡(こだいらすいえいじょあと)に到着。境水衛所跡と同様、水回りの管理が行なわれていた場所で、対岸に渡れるようになっている。さらにの先、津田塾大付近の雑木林の中のようなトレイルを進み、府中街道に出る。